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 【パキスタンの世界遺産

世界遺産「タフティ・バーイの仏教遺跡とサリ・バロールの歴史的都市」
2008.06.13
 
2008年6月13日    314日目


ガンダーラ美術

それはこの地で発展した

小高い山の中腹に建てられた仏教寺院



しんどい。。

パキスタンホントしんどい。

というのもまさかの深夜の停電。

ファンが止まるから蒸し暑くて一切眠れない。

しかも2回。

停電するたびに起きて、停電が終わるまで眠れない。

地獄の夜だった。

あんまり寝れてないよ。。

早くパキスタン抜けなきゃいけない。

、、、、勘弁してくれ。。

で起きたらすでに停電となっていて。

ここにいても暑いだけ。

というわけでさっそく観光に出発しました。

まずはペシャワールのバススタンドへ。

バススタンドでは今日の目的地「タフティ・バーイ」と叫んでいました。

が、そんな場所はないというでは。

???

でも「タフ・バーイ」ならあるということで。

とりあえず地●の歩き方の写真を見せてここ?と聞くとそうだというではありませんか。

というわけでタフ・バーイ行きのバスに乗りました。

この時点ではまだタフティ・バーイに行けるかすごく怪しんでいました。

しかも、地●の歩き方に書いてある地図の場所と向かっている方向が違うんだよね。

ああ、バス乗り間違えたんだ。

でもあの時写真を見せてそこだと言われたんだよね。

ともかく到着してみて違ったら帰ってこればいいか。。

そしたら一日無駄な日になるな。

とか思いながらバスに揺られていました。

そして1時間ぐらいバスに乗っていた時に突然、着いたから降りろというではないですか。

えっと、確かタフティ・バーイは山の中腹にあるはず。

でも近くに山なんてないよ?

やはりバスを乗り間違えたんだ。

でもだめもとで近くの人に道を尋ねると。。。

なんとあっちへ歩けというではないですか。

やっぱりタフ・バーイがタフティ・バーイのことだったみたいです。

ともかく到着してよかった。

さてこうして目的地まで歩くことに。

約3kmということで炎天下の中40分歩いて行くと近くに小高い山がそびえているではないですか。

しかも中腹には何やら建物らしきものが。

こここそ、世界遺産「タフティ・バーイの仏教遺跡とサリ・バロールの歴史的都市」です。

時は2世紀ごろ、この地では仏教が繁栄した。

その中でクシャーナ朝のカニシュカ王によってタフティ・バーイは建造開始。

このガンダーラ平野を望む小高い丘の中腹に仏教寺院がたてられたのです。

みなさん、ガンダーラとは聞いたことのある地名ではないでしょうか

ガンダーラとはこのパキスタン北部のことを指します。

この地では仏教美術が独自に繁栄し、その後の仏教に大きな影響を与えました。

そもそもここに仏教が伝えられたのはマウリヤ朝のアショーカ王といわれます。

彼は熱心な仏教徒であり、自分の支配した場所に様々な仏塔を建てました。

その後ガンダーラはいろんな支配者に支配されましたが、2世紀クシャーナ朝の時代に再び繁栄。

特にクシャーナ朝はペルシアの方まで領土とし、この地にギリシャやペルシア文化がもたらされたのです。

これにより、西洋の文化と仏教美術が混ざり、今までにはない仏教美術が発展したのです。

またガンダーラは現在の仏教に最も影響を与えた場所。

というのも仏教成立時点では仏像を造ることを禁じられてきました。

それはインドのサンチーの仏塔を見てもどこにも仏陀の顔がないことからもわかります。

それがどういう理由があるかは知りませんがこの地で初めて仏像が見つかり、最古の仏像がこの地で作られたのです。

タフティ・バーイはガンダーラ仏教の中でも重要な場所とされ、たくさんの僧院や主塔が見つかったことから仏教の聖地だったと考えられているのです。

ガンダーラ仏教を今に残し、その後の仏教に多大な影響を与えた場所としてタフティ・バーイは世界遺産に登録されました。

さて遺跡に到着して、さっそく山登り。

すると石で組み上げられた遺跡が見えてきました。

というかすごい技術がそこにはあり、ちょっとびっくり。

平べったい石を平らに重ねて壁や建物を形成しているのです。 

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少し間違えば倒れてしまいそうな建築です。

でも、今までここに残っているということはそれだけの技術がここに投入されたという事実。

特に壁を見るとまっ平らに形成されており、ぼこぼこの壁ではなくなめらかな壁を見るとその技術の素晴らしさがわかるようでした。 

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そして、遺跡の中心に来てみると何やら主塔の場所でお経をあげている人たちが。

??

あれ、日本のお経だぞ?

と思ったら、どうやら韓国の天台宗の偉い御坊様らしく。

しかも、韓国人と日本人のグループでした。

ここは仏教の発展の地ガンダーラですから、仏教関連の人が来てもおかしくないですからね。

でも、よくよく話を聞いてみるとどうやらガンダーラの研究者やその関連の人たちみたいで。

タフティ・バーイの復元を支援するグループとのことでした。

しかも復元が正式に決定されたらしくその発表が明後日イスラマバードで行う為に今回ここに来たそうです。

向こうもなぜこの辺境にあるタフティ・バーイの遺跡に一人の日本人が観光に来ているのか疑問だったらしく。

私が世界遺産を見るために旅していることを話すとびっくりされていました。

さてここで私は一つの疑問を投げかけました。

世界遺産に登録されている場合復元って不可能なんですが、大丈夫なんですかと。

世界遺産は守るべきもののことですから修復は積極的にしますが、復元はしてはいけないのです。

どのような建築が作られていたか想像だけで復元されたら意味がないですからね。

すると去年世界遺産の規則が変わったみたいで、さらにタフティ・バーイは建築がはっきりわかっており復元が許可されたとのこと。

世界遺産の規則が変わった!!

さすがにそこまでの情報は調べてなかったので衝撃でした。

彼らも私が多少世界遺産のことを知っていることがわかったみたいで、何と明後日のタフティ・バーイの復元の発表を聞きに来ないかと誘っていただき。

本当ですか!!

すごくうれしいです。

どんな形であれ少しでも世界遺産に関わりを持ちたかったので。

旅ってこんなうれしい出会いもあるものですね。

もちろん参加させてくださいと返事させていただきました。

ちょっと予定が変更になりますが、こちらの方が大事です。

この出会いに感謝します。

さてその後は彼らたちはタフティ・バーイの観光が終ったみたいで帰るとのことで再び明後日会う約束をして別れました。

そして私はタフティ・バーイの観光です。

中心地には巨大な僧院と主塔があります。 

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主塔は残念なことに姿形が全くないのですが、僧院は天井はありませんが壁でたくさんの個室が分けられており、ここにたくさんの僧が修行していたことを彷彿させてくれます。

また地下室もあり、外界と隔離されて熱心に祈る姿が目に見えてきそうです。

さらにはたくさんの仏像も残っており、この地がいかに繁栄したかを物語るようでした。

周囲には何もない平原が横たわり、ぽつんと存在するこの山で彼らは熱心に悟りを開こうとしたのでしょう。 

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それにしてもなぜこのような場所に仏教寺院がたてられたのか。

山の上でもなく、山のふもとでもなく。

山の中腹に。

それはたぶん謎に包まれているのですが、主塔が山の頂上に向いていることを見るとこの山が何かしらの聖地だったのではという感じがあります。

すべては謎のまま。

歴史にはこの謎があるからこそ楽しいのですけどね。

さてメインの部分を見終わってからは山の頂上に登ってみることに。

すると素晴らしい風景がそこには広がっていました。

見渡す限りの水平線。

その下には山の中に点在する寺院群。 

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規模は違いますがマチュピチュを眺めているかのよう。

どこを見ても平らな台地の中にぽつんと遺跡がある風景は違う世界に紛れこんでいるみたいです。

しかも崩れている姿がまた歴史を感じさせますね。 

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上から見るとこの寺院の大きさが一目瞭然。 

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みて回った後で見るとこれほど大きかったんだと思ってしまいました。 

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また山の中にはいたるところに小さな遺跡が点在しているのがわかります。

これはサリ・バロールの都市遺跡。

ほとんどが崩れていて都市の遺構しか残っていませんが。

この地がいかに繁栄していたか物語っているようでした。

2000年前にこれだけの遺跡が建てられた事実があるなんてガンダーラはすごい文化があったのだと実感できました。

特に建物の建て方は素晴らしかった。

これはインドでも見たことない建築で、この地に独自の文化があったことの証明。

よく、こんな小さな薄べったい石だけで建物を建てたとただびっくりするだけです。

タフティ・バーイにきてホントによかった。

まさかこれほど素晴らしい遺跡だったとは来てみないとわからないものですね。

あと、今日の出会いにとても感謝です。

さてこうして観光が終ったのですが。。

暑い。。

もう限界。

炎天下の中、一日中観光するのは疲れるものです。

このためすぐに近くの街に戻りました。

途中あまりにも暑さがつらかったために冷たいジュースを買って一休憩。

パキスタン、、、つらすぎる。。

日記でこれだけ辛いって書いているのですが、それだけ大変です。

こんな時期に来た俺が間違っていた。。

さてようやく近くの街に到着し。

すぐにペシャワール行きのバスに乗りました。

行きと違ってクーラーがついていないので大変。。

ま、高速で帰るので風がかなりあったからよかったんだけど。

で、ペシャワールに帰ってから再び暑さとの戦い。

停電する前にシャワーを浴びて。

日記をすすめ。

で、停電になったら食事をして。

次の停電になる前に寝て。

で、停電になったら起きる。

なんという疲れる生活だよ。。

もういい加減にしたい。

というかクーラーの効いた部屋に一度止まって疲れを取りたい。

明日、もしかしたらお金を出してクーラーの効いた部屋に泊まるかも。

金がかかりますが、体を悪くする方がもっと怖い。

毎日地獄のような日々ですからね。

では、また明日。



タフティ・バーイアクセス
ペシャワールのジェネラルバススタンドで「タフ・バーイ」行きに乗る。
周辺の人に聞くと乗るバスを教えてくれる。
タフ・バーイ到着後北に向かい歩き途中右に曲がり、さらに突き当り左に曲がるのだが、道が複雑なために周辺の人に聞くこと。
街からは約30分徒歩





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