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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学57--特殊な世界遺産Vol.5--
2000.12.30
 
世界遺産雑学57

特殊な世界遺産Vol.5
「農業遺産、土地」

--少ない土地を増やす方法--

低地にある国
それは国土が少ない国でもあった。
そこで人々は考えた。
海から国土を増やす事を。
干拓事業が始まったのである。

ベームスター干拓地/スホクラントと周辺の干拓地  オランダ王国

ヨーロッパの中でもひときわ小さな国、オランダ
国土のほとんどが低地にあり水害が絶えなかった。
そんな場所にもかかわらずオランダ人は海を切り開き、海より低地の土地を作り上げたのである。
水害の被害にあう可能性があるにもかかわらず。
しかし、オランダには事情があった。
農地の少なさである。
この問題を解決するために人々は海を開拓し始めた。
危険なことと分かりながら。

アムステルダムから北に20kmに広がるベームスター干拓地。
ここはオランダ最古の干拓地。
1612年に完成した72.1km2の造営地である。
海の周囲を堤防で囲み、その周囲に排水用風車が設けられたのである。
こうして、海の水を抜き区画整備され運河や農場が作られた。
計画的に作られた干拓事業の傑作

スホクラントの干拓地はアムステルダムから北東60kmにある。
もともとここは半島の一部であった。
しかし、15世紀に海からの浸食により半島が島になり、その島すら水没されかけたのである。
ここは湾状に広がる海でもあった。
そして島は湾の外に位置していた。
オランダ人はこの島と湾の先端を結び付けようと考えた。
こうして、1920年に島と湾を結ぶ防波堤の工事が始められた。
12年後防波堤は完成したのである。
これにより海は湖になった。それも東京都ほどの面積の。
ここから干拓事業の大きなポイント、塩の湖を淡水の湖へと変化させていく。
そして湖は埋め立てられ、広大な土地が出現したのである。
その広さはベームスターの30倍の2200km2におよぶ。
新しい州が完成した瞬間でもあった。


人知が水との戦いに勝利した証であるとともに農業計画の手本となった干拓地は1995年にスホクラントが、1999年にベームスターが世界遺産に登録された。
「オランダ」
この国は水に悩まされた国であった。
水と戦い、勝利を収めた歴史は4つの世界遺産から紐を解くことが出来る。
不思議な世界遺産である。






やっと、オランダの世界遺産紹介終わりました!!
どうでしょうか、特殊でしょ!!
特にこの干拓地は見てもまったく分かりません。
なんせ、東京都ぐらいの農場があるだけ。
見所なんてありません。
見に行ってもガックリきます。
でも、ここには水との戦いの歴史が残っています。
それは目には見えないものですが。。