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 【[雑学]アジア

世界遺産雑学61--天上天下唯我独尊--
2000.12.30
 
世界遺産雑学61

--天上天下唯我独尊--

世界三大宗教の一つがここから生まれた
キリスト教のエルサレム
イスラム教のメディナ
最後の一つがここ仏陀の生まれた「仏教の聖地」

仏陀の生誕地ルンビニー  ネパール

「仏教」
それは仏陀が世俗に嫌気が差し、すべてをを捨て修行に明け暮れ悟りを開いた宗教である。
現在、仏教の聖地は4つほどある。
仏陀が悟りを開いた「ブッダガヤー」
仏陀が始めて説法を行った「サールナート」
仏陀が死を迎え入滅した「クシナガラ」
そして
仏陀が生まれた場所「ルンビニー」
である。

仏教には伝説が残る。
それは仏陀が生まれた時の出来事。
紀元前6世紀このルンビニーに一人の妊婦がやってきた。
その女性はこの地域を治めていた釈迦族の王妃マーヤー
ルンビニーには出産のための里帰りの途中であった。
マーヤーはこの地で一本の無憂樹を見た。
その樹は満開に花が咲き誇っていたのである。
不意にマーヤーは無憂樹の枝に近づき手を触れた。

その瞬間、右腋から勝手に赤子が生れ落ちた。
さらに蓮の花が突然現れ、赤子がその上に立ったのである。
続けさまに天より舞い降りた天人が赤子に香水をかけ誕生を祝い始めた。
すると赤子は7歩、前に歩き
「天上天下唯我独尊」
と唱えたのである。
この赤子こそ、後の仏陀になるのである。


実はルンビニーは忘れ去られた場所であった。
7世紀に玄奘法師がこの地を訪ねたときには荒廃が始まっており、14世紀には完全に史料から消え去っていたのである。
このため、研究者たちはこのルンビニーを血眼になって探した。
唯一の手がかりは一つ。
紀元前3世紀、インドに栄えた帝国「インド・マウリヤ朝」最後の王
アショーカ王が残した石柱である。
インド・マウリヤ朝は完全なる仏教国であった。
このため、歴代の王はルンビニーを訪れていたのである。
その中でもアショーカ王は国教として仏教を整えた王であり、ルンビニーを崇拝していた。
そして、王は聖地に自分が訪れた事の石柱を残したという記録が残っているのである。

こうして、1896年ドイツ人考古学者によってこの石柱が見つかった。
廃墟の中からアショーカー王の石柱が掘り出されたのである。
その後、ルンビニーは聖地として復活を遂げる。
聖園として整備され、今日多くの巡礼者を集めているのである。


ルンビニー、一度歴史から消えた聖地は再び歴史に登場し仏教の聖地の一つと数えられた。
これにより1997年に世界遺産に登録された。
一度消えたこの街が。





仏教の世界遺産は数多く存在します。
その中でも一番の聖地ではないでしょうか。
仏教って、実は宗教の中ではかなり古い宗教です。
キリスト教が発展したのが西暦1世紀、イスラム教が発展したのが西暦6~7世紀。
仏教は紀元前4~5世紀ですから。
そんなイメージはあまりありませんが。