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 【ブルガリアの世界遺産

世界遺産「イヴァノヴォの岩窟聖堂群」
2008.11.19
 
2008年11月19日    397日目


湾曲した渓谷に残るもの

それは幾つもの穴をあけて作られた

ブルガリア正教会のイコン


眠い。。

でも昨日は早めに寝れたのですぐに起きることができました。

ちなみに起床は5時半です。

眠い目をこすりながら最初に朝食。

そして体調を整えてからはすぐに出発。

まだ外はかなり暗いです。

いやはややっぱりというか予想通りというか、バスが走っている気配がないですね。

目的の2番のバスが走っているかどうかは不明ですが、もうタクシーで行くことにしました。

遅れることは何より怖いですからね。

タクシーはすぐに見つかり、難なくバスターミナルへ到着。

これが歩いていける距離にあるバスターミナルだったら苦労しないんですけど。

ただしこれほど早くつくとは思わなかったので。

待合室でコーヒーでも飲みながら待っていました。

それにしても寒くてこごえています。

これからもっと寒くなるようなのでどうにかしないといけないのですがね。

ようやく目的のバスが到着してすぐに乗り込み。

10分後には出発。

するとなんと私が来た方向に向かうではないですか。

あれ、宿のすぐ近くのバス停すら止まるぞ。

これ、なんか損した気分。

でも目的地イヴァノヴォの表記ひとつ書いてないバスだったために、初見でここで並んでいても乗れない可能性のほうが高そうですけどね。

無難にバスターミナルへ行っていてよかった。

車掌にイヴァノヴォで降ろしてもらって。

ようやく街に到着。

ただし世界遺産はここからさらに離れているので。

早速周辺にいる人に聞いてどっち方面かを尋ね。

示された方向へ歩きはじめました。

途中で標識があったので今度はそちらに向かって。

4km先って書いてあったので大体45分程度でしょうか。

徐々に崖がそびえる谷へいざなわれていきました。

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そしてさらに進むとそこは谷の奥底。

目の前にはそびえたつ崖が姿を現したのです。

しかも崖の真ん中には岩がくりぬかれて建物があります。

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これこそ世界遺産「イヴァノヴォの岩窟教会群」です。

時は13世紀、ここにある人たちが住んでいました。

彼らはブルガリア正教会の修道士。

修道士たちは神に近づくためにここを修行の場所としました。

その修行の方法は崖に穴を掘り絵を描くこと。

こうしてこの湾曲した崖の中にどんどんと教会が作られたのです。

その数300にもわたります。

現在では洞窟が崩落したり絵が消えたりしていますが、数か所のみ今でもその神々しい絵が残されています。

この絵こそブルガリア正教会の文化を示すイコン。

当時のブルガリアの栄華を示すものとしてこのイヴァノヴォの岩窟教会群が世界遺産に登録されたのです。

さて早速教会の中へ入ろうと山を登りましたが。

なんとまだ空いてない。

ガイドブックを見ると10時にならないと開かないようなのでちょうど椅子もありひたすら待っていました。

本日はバスの乗る時間が非常に長いためにゆっくり見ても何の支障もないから。

ようやく係員が到着してすぐさま岩窟教会の中に足を踏み入れました。

すると壁一面天井部まで数々のイコンで描かれています。

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特にイコンは金色を多用するので光り輝いて見えます。

すべてはキリスト教の教えや経典を図式したもので、それはまさにこの世のものではないような。

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周りにはしっかりイコンが残されていませんが聖人たちを描いてあります。

ちなみにイコンで聖人か普通の人かを見分ける簡単な方法があります。

それは人物の顔の周辺に円形の金で囲まれています。

成人は光り輝く人であるという感じで描かれているのです。

それにしてもこれほど豊かな色彩でイコンを書くのですね。

イコンは見るのが初めてなので。

金を多用していますが、それに負けないくらいの色彩も鮮やかなので。

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完全に調和しており、見る者をひきつけてしまいます。

ただし岩窟というくらいですからちょっと暗いのが難点ですけど。

それにしても岩窟の先にはもう切り立った崖の真ん中につながっており。

なぜこんな場所に教会を作ったのかと不思議に思ってしまいます。

でもこのころのキリスト教って辺鄙な場所に教会を作ることを修行の一環と考えている時なんですよね。

ギリシャのメテオラとか断崖絶壁の崖の上にたててありますし。

世俗と混ざらない偏狭な土地だからこそ真剣に修行ができるという感じなのでしょう。

それにしてもこの空間はびっくりするぐらいの異質な空間です。

広さも広いわけではないのにたくさんのイコンが飾られている。

不思議な空間に迷い込んだようです。

さてこの教会から少し歩くと岩山の上にたどり着きます。

そこからこのイヴァノヴォの岩窟が一望できるのです。

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湾曲した川に沿うように崖がそびえています。

その中に無数の穴が開いている場所があり。

これがすべて修道士たちが築き上げた岩窟の跡。

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一見すると見た目はインドのアジャンターと全く同じ風景をしています。

Ω型の湾曲した川の中に建てられており周りはすべて断崖絶壁。

その中腹のいたるところに穴があけられているのですから。

宗教は違っても信仰の仕方は同じだったということでしょう。

作っている時期も大体同じぐらいじゃなかったっけ。

人間は人種は違っても宗教は違っても考えることは同じなんだということを実感してしまいました。

それにしてもここからの風景最高です。

まるで秘境にきたかの様。

世界には知られてないですがきれいな風景なんてどこにでもあるものだな。

さて景色を眺め終わってから対岸にある岩窟教会を見に行きました。

近いようで意外に遠い。

結構歩いていますが、木が生い茂っていてどこにあるのかさっぱり分からず。

すると標識が建っているではないですか。

ただし道ありませんけど。。

山登って行けってことなんでしょうかね。

とりあえず登ってみてわかったのですが、、、あり得ないぐらいの山道で一歩道を踏み外したら転落ですよ。

しかも中には棘のある植物もあって、途中まで進みましたが足の筋を伸ばしてしまい。

かなり痛くなってしまってこれ以上進めなくなりました。

他にもたくさん岩窟教会があると思うのでそちらへ。

そしてようやく次の教会を見つけましたが、なんと公開しておらず。

次に向かうことにしました。

3つ目の看板の教会は中まで入れるようになっています。

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ただし、ここに教会があったとは全くわからないほど崩壊しているのです。

確かに断崖絶壁の中に巨大な空間がたくさん存在しています。

しかしすべての壁は風化しており、イコンなんてどこにもなく足場すら怪しい状態までなっているのです。

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よくよく岩を見てみると、こりゃ風化しやすいわけだ。

なんと花崗岩の類ではなく砂岩系の岩なのです。

確かに掘りやすいですけど、すぐに壊れてしまうという難題もあります。

これなら崩壊していてもしょうがないのかも。

それにしても穴は大量に存在していてもし現在完成当初の姿で残っていたらどんな姿なのかと想像すると、たくさんの教会に膨大なイコンが描かれていたのでしょう。

数だけでもびっくりするものがありますよ。

さてさて次の岩窟に向かうとどうやら岩の割れ目の中に作られているよう。

が、、ここも公開していない。

どうやら、こちら側でも教会やイコンが残されており。

保護のために公開はしていないようです。

一か所だけでも見れたので特に問題はありませんがね。

さて最後一番奥の岩窟教会に行こうとしましたが。

林の中からいきなりの野生の声が。

、、、、、、。

あれ、間違いなく哺乳類の声だよ。

犬か熊か。

そういえばここも例外なく大自然の中なんですよね。

野生の動物がいたっておかしくない。

しかし進む道は一本。

その先から声が聞こえてきました。

もし間違いだったらいいけど、間違いでなければかなりの危険なことになります。

2秒ほど考えて出した結論は命のほうが大事ということで。

一目散に逃げることにしました。

最後もどうせ公開していないみたいだったので。

きれいな風景よりも世界遺産よりもやっぱり命です。

こうしてビビリながらも一通り見終わり。

最後は展望台で時間が過ぎるのを待っていました。

何しろ帰りのバスが16時発しかなくて。

朝は6時50分発、帰りは16時発。

なんという便の少なさでしょう。

これが世界遺産を回る辛さなんですよね。

そしてイヴァノヴォの町まで再び徒歩で歩いて。

バスが来るのを待っていました。

しかし、待てども待てどもバスが来ないではありませんか。

確かに16時発でしたが、イヴァノヴォが始発ではないのでゆっくりと待っていたのです。

しかし45分たってもバスが来る気配がありません。

近くの人はここじゃないよとか言われるし。

あれ、もしかして行きと帰りで人を乗せる場所が違うの?

55分待っても来る気配がない。

こうなったらヒッチハイクで帰るしかない。

と覚悟を決めた瞬間、なんとバスが到着。

いやはや正直あせりました。

歩いて帰ることも考えましたけどね。

さてルセの町に戻ってからは今度は明日の移動方法の確認。

明日にはルーマニアに行こうかと思っているので。

ただし越境方法は列車のみという何ともまあ。

そして時間を聞いてみると、、、、3時と15時。。。。

3時って深夜じゃん。

1時頃に起床して準備しないと間に合わないし。

却下して、15時、、、、もルーマニアに到着するのが19時近くになってしまう。

初めての国でそんな仕打ちですか。

どのみち明日は15時からしかなさそうですね。

それにしても移動ってなんでこんなに面倒なんた。

明日も午後から大変な日となっていそうです。


イヴァノヴァアクセス
(ガイドブックを参照しながら見てください。)
ルセの駅から北北東に1.5kmぐらいにあるロータリーから東に向かい約3km先にあるアフトガーラ・イストクから6時50分発。
ロータリーから東側に向かうバス2番でイストク近くまで行ってくれる。
ただし朝に走っているかは不明。
タクシーに乗るのが賢明。
イヴァノヴォ行きのバスはガイドブックに載っているロータリーのバス乗り場に向かうが、イヴァノヴォ経由のためバスにはイヴァノヴォの表記はない。
このためバスターミナルに向ったほうが無難である。
車掌にイヴァノヴォで降ろしてもらうことを伝えておくこと。
イヴァノヴォの町からはバスが来た方向に戻り看板の表記に従いながら進むこと。(合計45分は歩く)
看板に沿ってからひたすら道なりにすすみ突き当りが世界遺産地区
帰りは16時半~17時の間にイヴァノヴォの町からバスが出発する。





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