レストランで時たま「ナック・ホーン・タイディン」というメニューを見かけます。
土下のシンガーという意味です。
シンガーというのだから紅白歌合戦のごとく
なにやら華やかしいものが出てくるのであろうと期待してオーダーすると
出てきたのが、これ、コオロギちゃんでした。
日本人にとってはゲテモノでも、ラオスでは、老若男女、庶民からブルジョワにいたるまで皆大好きな食材。
土下のシンガーというのは通称で本名は「チナイ」といいます。
首都ビエンチャンに「チナイ・モー」という地名があり、これもこの「チナイ」から来ているといいます。
その由来を、諸説ある中から一説ご紹介します。
時計台のある三叉路に今でもラオス国軍の学校があります。山岳地帯の多いラオスでは、森の中を想定した訓練が中心になり、食料調達は狩による自給自足が基本。大きな獲物が獲れればその肉はご馳走になりますが、しかし、捕獲が難しい。その点、この「チナイ」は夜間、闇の中で光を点ければ先方から寄ってきてくれる。しかも、大量に。また、高カルシウム&たんぱく質を含み栄養価も高いというので、言うことなしの逸品。だから、軍人に好まれ、需要が高かった為、国軍学校がある地に、この名が冠されたのだというのですが、なんとも冗談とも思えるような話です。。。
他には、民衆を苦しめたおばけコオロギが退治される話があり、こちらの方が、ありえそうな話です。何せ伝説なのですから。
いずれにせよ、ラオスの庶民グルメ、勇気を出して、是非、お試しください。
【食べ方】主流は、「コオロギ揚げ」。まるごとをカリカリに揚げると、殻は香ばしく、お腹の脂はマン(濃い)!!。
見た目はグロイが、目隠しすれば、万人受けすると思うのですが。
他には、揚げたものを叩き潰し、塩&唐辛子などと合わせる「ジェオ・タイプ」。もち米につけて食します。
写真は、ハーブなどと合えた煮物「オ・タイプ」(オというのは料理方法)。