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2010.10.17

 生活情報全般

【コラム】ラオスの田舎に暮らす~ノンキャウ便り~

私はラオス在住7年ほどになります。以前ビエンチャンとルアンプラバーンに住んでいましたが、今はノーンキャウという町でバンガローを経営しています。



ラオスの桃源郷ともいえる小さな片田舎に来て2年弱、食生活が変わったことに気がつきました。
バンガローはレストランもあるので厨房のスタッフは私が注文すればご飯も作ってくれます。
ある日スタッフの食べているものに目がとまりました。基本的に彼らの食事は質素で、主食のカオニャオ(もち米)+副菜1,2品しかありません。でも、なんだか美味しそうなのです。
彼らが中毒とも言えるほど好むタムマークフンやゲーンノーマイ、ノーマイラープ、トマトやナス、時には魚のジェオと蒸しただけの野菜があります。私も同じものを頼んで作ってもらいました。品数は少ないもののここで取れた野菜は味がしっかりして色が濃くてとても美味しいのです。
それから私は野菜を沢山使った地元の料理を毎日食べるようになりました。

ここで手に入るものは限られている、そう思うと不思議なことに人間はその中で欲求を満たして満足するようになります。特にあれこれ欲しいとは思わなくなるものです。ノーンキャウの中心にはナムウー川が流れていて地元の人はその恩恵を受けて生活しています。8月には川えびも取れます。でも水かさが増したり川が濁れば魚が取れなくなってしまいます。そうすると必然的に野菜を沢山食べる食生活になります。だからでしょうか、彼らの食生活は野菜が中心です。彼らは私から見れば単なる雑草とも思えるようなものも手を加えて立派な一品にするし、時には森へ入り花のにおいがぷんぷんする純度100%の最高においしい蜂蜜も取ってきます。驚くばかりです。こんな風にして手に入った物は私に元気を与えてくれるような気がしました。

ある日、日本へ久しぶりに里帰りした私は夕飯の買出しに母とスーパーへ行きました。魅力的なパッケージで飾られた色んな種類の食べ物がありましたが、原材料表記をみると様々なものが書かれ過ぎていて、いったい何で作られてるのかわからない物が多いことに気がつきました。違和感がありました。日本にいたときは当たり前だと思っていたことでした。ラオスは加工品が圧倒的に少なく、あったとしてもシンプルで、材料が限られているので明瞭です。何で出来ているのか一目でわかります。日本は、ありとあらゆる健康食品があり、健康に対する知識、関心も高いと思います。ですが、ラオス人の方が地に足が着いた食生活をしてるように、私には思えてしまうのです。

文/八木なおみ
ルアンパバーン郊外の町ノーンキャウでバンガローを経営後、日本へ帰国。


※本文はテイスト・オブ・ラオス 2008年10〜12月号 No.13から転載