アジアに長く住んでいると、このCM、確かに納得するところがあります。日本の女性、確かに綺麗ですね。肌も手入れが行き届いているし、ヘアスタイルもファッションもおしゃれです。
さて、ラオスの女性ですが、そこへいくと、おしゃれ面では、まだまだかもしれません。金銭的理由でおしゃれにお金をかけられない人も多いし、着るものもどことなく野暮ったい感じがします。一昔前のアイドルみたいな格好、というのでしょうか。ただ、そんな彼女らが日本人女性より圧倒的に勝っていると常日頃感じるのは「しとやかさ」です。
私みたいに忙しいから、機嫌が悪いからといって大股でずかずかと歩くこともない。シンをはくせいでしょうか、もちろん大股では歩きませんし、人の目の前では腰を折って頭を下げて通ります。まるで着物を着た日本の女性を思わせます。とても親しみやすく、まるで近寄り難い品格は感じさせません。メンタルな部分では彼女らは圧倒的に日本人より大和撫子な振る舞いをしているように思います。「できる女」とか「バリキャリ(=バリバリのキャリアウーマン)」という言葉からはイメージ的に遠いと思います。
私のうちに遊びに来たラオス人の奥さんが私の旦那(デンマーク人)が自分でコーヒーを淹れているのをみて「あなたの主人は自分でコーヒーを淹れるの?」と驚いた事があります。
亭主関白が当たり前のラオスの家庭にはあまりない光景なのかもしれません。
どんなに旦那さんをお尻に敷いている感じのおばさんも旦那さんにびしっと言われると黙る。何回か目撃したことがありますが感心しました。旦那さんより、奥さんの方にですが。
良く出来たものです。
私は、願わくば「自立心のある強い女性」と言われたいので、もちろんどちらがいいかというとそれは個人の考え方によりますが。ああ昔の日本女性はこんな風だったのかもと彼女らを見て思うことがあり、不思議な感じです。
文/八木なおみ
ルアンパバーン郊外の町ノーンキャウでバンガローを経営後、日本へ帰国。
※本文はテイスト・オブ・ラオス 2009年1〜3月号 No14より転載