2009.07.09

 イタリア[世界遺産]

世界遺産「ハル・サフリエニ地下墳墓」

2009年7月6日    601日目


紀元前の精巧な地下墳墓

それは石の扱いに長けていた文明があった証拠

巨大な一つの岩を掘って作られた


なぜか一度夜に起床してしまった。

なんか風の流れがないみたい。

このため暑苦しかったのですが、なんとかもう一度寝て。

目覚ましの音で起床しました。

起床は6時です。

本日は予約が必要な世界遺産で、チュニジアで本日の9時のツアーを予約したからです。

ほんとはもう少し違う時間でもよかったのですが、午前中はここしか空いてなかったのですよね。

しかも遅れてはいけないですし、バスの時間もわからなかったので早めに行くことにしました。

というわけで6時半に出発。

すぐさまバスに乗りヴァレッタのバスターミナルへ向かいました。

そして目的地へのバスがなんとすぐに出発しそうだったので。

乗り込みました。

こうして20分後ようやく目的地に到着。

、、、、予約時間まであと1時間半もあるのですがね。

まさかこれほど近くて乗り換えがうまくいくとは思っていませんでした。

が、ここで大変な事態に陥ってしまい。

なんと腹部に激痛が。。。

と、トイレに行きたいが、こんな朝早くだと商店もやってない。

どうしよう、、、、ということで街を徘徊していました。

すると病院が開いており、病院の中に勝手に入りトイレを勝手に使いましたl。

アジア人が病院の中でうろうろしているのも完全に不審者と呼ばれても文句が言えない状態でしたよ。

こうしてなんとかお腹が落ち着いて、町の教会の前で予約時間が来るのを待っていました。

そして時間が過ぎ、ようやく世界遺産「ハル・サフリエニ地下墳墓」に向かいました。

ハル・サフリエニの街の中に存在する地下墓地

それはもともと誰もが知らない場所に眠っていました。

地下墳墓が発見されたのは1902年のこと。

マルタはイギリス統治を受けており、地中海の拠点として急激な発展をしたのです。

こうしてヴァレッタだけでは土地が足りず、ヴァレッタ近郊にもたくさんの街が築かれて行きました。

こうしてハル・サフリエルに街が建設されたのです。

さらに当時の住宅の建設には特徴がありました。

それは地下に貯水池を掘ることです。

夏はほとんどの雨が降らないマルタにおいて水の確保は必須だったのです。

こうしてそれは突然見つかりました。

岩を掘り進めていた工事会社が突然岩の中に巨大な空洞を発見したのです。

しかしその報告は発見されてから3年の月日がたっていました。

こうしてすでに住宅が建ってしまい、さらに岩から染み出す水がその発掘をかなり困難なものとして行ったのです。

発掘が完了すると、マルタの歴史を大きく揺るがすことがわかりました。

当時マルタには数々の巨石文化が残り巨人が住んでいたと思われていたからです。

巨人でなければあれほどの石を運べないからというのが大きい理由。

しかし、ここで見つかった骨はすべて標準サイズであり、なにより遺跡はすべて一つの岩をくりぬいて作られていました。

これにより当時の人たちは石の加工の技術に長けていたことがわかったのです。

こうして世界でも珍しい岩にくりぬかれた地下墓地はマルタの技術力を今に伝えるものとして、そして当時の死の概念を伝える場所として世界遺産に登録されました。

というかこの地下墓地、ハイポジウムはほんとに街の一角にあり。

隣の住宅と同じような建築で建てられているために標識がないと絶対わからない場所にあります。

正面には巨大な壁に世界遺産のマークが描かれていて、世界的価値のある場所として書かれています。

ただ入り口はそこではなく裏口のような小さな入口で。

普通の家の中に入っていくようです。

とりあえず、入場時間まで扉の前に待っていると。

しっかりと10人の人が扉で待っていました。

やはり1時間に10人しか入れないのは本当見たいですよ。

こうして時間になり、扉が開いて中に入ることができました。

最初に見えるのはチケット売り場というかチケット確認場所で。

全員予約客ですから予約の確認の紙やチケットを持っているのであっさりと確認終了。

そしてオーディオガイドが入場料に含まれているみたいで。

一人一人にその機械を配っていました。

7カ国語を対応しているのですが、なんとその中に日本語も完備されていて。

もうこれはうれしいとしか言いようがないですね。

ほんとに日本人は世界のいろんなところに観光に来るので日本語が網羅しているところが多いのですよね。

こうして日本語のガイドを指定して、さっそく中に入りました。

ちなみに内部は完全写真撮影禁止なのでどのような場所かお見せすることができないのですが。

昨日の博物館にパネルがあってそれを写真で撮りましたので。

そちらの写真を載せておきます。

画像が粗いですがご勘弁をしてください。

最初は小さな博物館のような感じの場所に出て。

この遺跡で発掘された調度品を展示してありました。

すべてはレプリカなんですが、本物は昨日ヴァレッタの考古博物館に保管されてありました。

その中でもスリーピングレディーというのが有名です。

実はこのころ見つかった人物の彫刻はすべてが性別不明だったのですが。

これだけ確実に女性をわかる構造をしているのです。

お尻の部分が一番巨大で頭が一番小さく作られていて。

まるで寝ているかの様な体制のためにこの名前が付けられました。

実はそのほかにも見つかった像はお尻が大きいことからほとんどが女性だったとこの像からわかったのです。

このため女神の信仰があったのではないかと考えられています。

博物館見学後は横にあるスライドでこの遺跡やマルタの説明が始まり。

もちろん日本語ですからこの遺跡が建てられた理由なんかが良くわかります。

この地に繁栄した文明は、イタリア本土やシチリア島と交易した事実が残り。

壁画に使われた染料はすべてマルタでは採れないもので。

イタリアの本土から輸入されたものなのです。

というか5000年前に船で交易したという事実がすごいんですが。

だってエジプト文明よりはるかに前の話ですからね。

こうしてスライドが終わった後はメインである遺跡の中に入りました。

中は保存のために薄暗くなっていて、時間によって照明が変わっていきます。

まず見えてくるのは表面部の第一層です。

ここは地下墓地の上に建てられた遺跡であり。

巨石文化の遺跡のようにそこまで巨大ではないですが石で造られた遺跡が存在します。

門のように四角に立てられた石や、壁など。

ほとんど崩れていますが、当時の文化をうかがうことができます。

そしてその中に通路が作られていて、地下に入ることができるのです。

内部に入るとそこは人がやっと通れるぐらいの高さの巨大な空間。

道はいくつかにわかれていてまるで迷路の様です。

照明で見る限りは岩は白く石灰岩のようですね。

光にあたると光輝いて見えるようです。

ある部分からは水が滴り落ちていてよくこの状態で数千年も保存されたという印象もあります。

この部分が地下一層と呼ばれる部分で、さらに地下に行くために枝分かれしている部屋ですね。

ただ入り口部分がかなり狭いというのもびっくりですよ。

私の身長だと頭がぶつかる場所もありますから。

こうしてさらに奥に入り地下二層と呼ばれる部分へ行きました。

まず見えてくるのは天井に壁画が残されている部分です。

かなり色あせてはいますが、赤い部分が確認でき何やら幾何学模様か植物のような絵が絵かがれていました。

しかし、実はこの壁画がしっかり残されているのにも驚くべきことがあるのです。

何より暗い室内ですからランプとか使ったと思われるのですが、天井には一切ススが残されていないのです。

このため壁画も毎日ではなく何かの時にたいまつで見ることしかできなかったと考えられているのですよ。

壁画が残る部屋には入り口のほかに横に2つの部屋に通じる部屋が残されており。

そこは何と床の高さが一切違う部屋となっているのです。

これでは中に入れないではと思うのですが、実際には人骨をこの中に入れていたためにこの部屋の高さまで骨が埋め尽くされていたと考えられています。

そして人骨の上を通って他の部屋に行き来していたのではないかと。

他の部屋に行くと、先ほどとは違った竪穴も確認されたり、洞窟一番の巨大な部屋も確認できます。

巨大な部屋は二階建ぐらいの感じがあり、部屋も下部分と上部分に作られていました。

そこから幾つもの部屋に通じていてすべての部屋に人骨が納められていました。

何よりこの部屋には緻密な音響効果が施されており。

なんと低音の男性の声だけ反響するという仕組みがなされていました。

このため祈りや遺跡の中心には低い声の出せる男性が行っていたと考えられるのです。

遺跡の内部まで通じる低い響く声が鳴り響いていたのですね。

そしてさらに進むと、祭殿のような場所が現れてきます。

まるで地上の神殿がそのまま地下に現れたように。

何よりびっくりするのは神殿のように柱がしっかり作られたのではなく、しっかり彫られたということです。

この地下には継ぎ目が一切ないという一つの岩から彫られたという現実が残されています。

当時としても信じられない技術の高さなのです。

部屋は半円柱の形で残されていて、三方につながる道が作られていました。

天井も残されていて当時の巨石文化がそのまま遺跡に残されてるとすると、巨石の天井はこのように残っていたと推測されています。

巨石にはどこにも天井が残されていないので。

他にも不思議な部屋があり、階段で地下三層に行けるようになっているのですが。

階段の途中が全くないのです。

これは侵入者対策と考えられています。

内部に侵入した人がその薄暗さによって階段を踏み外して地下に落ちるように。

ただもしかしたらここにも人骨が大量にあり、数メートルはある深さまで人骨で覆われていてその上まで歩けたのではないかとも推測されているので。

何より1000年もかけてこれだけの規模の作りあげた事実がすごいです。

外からではこの遺跡は全く分からないですよね。

実際に中に入ってみることをお勧めします。

予約しないと見れないですけどね。

ハイポジウムの観光が終了してから、近くにある世界遺産「マルタの巨石神殿」のひとつタルシーン神殿へ

ハイポジウムからすごい近い場所に残されているのです。

こちらの遺跡も町中に突如現れるという感じで。

何よりびっくりするのが一番保存状態が良いという印象があります

私が今までに見たのは海の近くで風化が激しかったのでしょうか。

それでなくても数千年という際月が建っていますからね。

しかしこちらは内陸ということもあり、岩の角も四角く、彫刻も鮮明に残されているのです。

最初に見えてくるのは巨大な門で、その中に進むとミツバのような構造をした石組が作られている場所に出てきます。

タルシーン神殿はほかの神殿に比べて巨大な石は少なく。

小さな石で組み合わせたというかんじですね。

中には巨大な足しか残っていない彫像も残されていて。

上半分がなくなっていたために男性か女性がわからないのですが、大きなお尻をしたという形で。

その後ろには蔦のような模様が描かれた彫刻が残っています。

当時の石に対する技術の高さが見えてきますね。

そのほかにもミツバのような構造が合計3つあり。

一番奥には机のような祭壇が残されています。

いったいここは何に使用されていたのか。

文字が一切残されていないためにすべては謎のままなのかも知れません。

遺跡を観光している間にどこかの国の撮影クルーを確認して。

またこんな所にと思ったらなんと日本の撮影隊でした。

女優の方も来ていて、遺跡を見て回る姿を撮影していたのですが。

えっと週末の夕方ぐらいに放送される旅の番組だと思います。

撮影を見ていると、女優の方びっくりするぐらい遺跡を見てないのね。

旅番組ですからその遺跡を一通り見るのかと思ったのですが。

なんと入口に入ってきたところと、遺跡のメイン部分を歩いて。

それだけでメインの後ろでこの遺跡の感想を言って。

早々とロケバスに戻って行きましたよ。

遺跡の1割ぐらいしか見てなくて感想とか言ってしまうのですか。

それを日本の視聴者に伝えるって遺跡の本質を見ないで伝えるってどうなのよ。

ただその後、撮影クルーはしっかり遺跡を撮っていましたが、女優はその時もうバスに戻っていましたよ。

これだけで本質がわかって視聴者に話せるとは到底思えませんけどね。

ただどうでもいい感想を述べているのでしょうか。

ちなみにその女優の方が誰だかさっぱりわかりませんでしたがね。

ひとつだけ言えるのは撮影クルーが相当大変だったということです。

炎天下の中よくあれだけ走る人もいるものだ。

テレビ関係にはきっと就職できないんでしょうね。

こうして観光が終了したのでヴァレッタの街に戻ってきました。

そしてその後宿に戻る前にヴァレッタの街でひとつ見てないものがあって。

それこそ世界遺産ヴァレッタ市街の聖ヨハネ大聖堂です。

外見はいたって普通の教会であり、特段特別な感じはしないのですが。

内部に入るとその外見との違いにびっくりします。

何しろ内部は金色であふれているのですから。

またヨハネ騎士団の教会ですから今まで見たことのない構造をしており。

バシリカの三廊式なのですが、メインの部分がなんと半円柱を横にした形で。

かまぼこ型といえばいいのでしょうか。

今までこのような構造は見たことがなくて、少々驚きました。

また天井にはフレスコ画が描かれており、教会の天井部分にこれほどのフレスコ画が描かれているのもほとんどないですよ。

イタリアのドームの中とかはありましたけど。

正面の祭壇はどことなくイタリアで見たステンドグラスの絵がそのまま金の彫刻になった感じで。

また中央にはたくさんの巨大なロウソクが置いてあり

さらにその手前にはお香を入れて置く香炉が天井から吊り下げてありました。

また何よりこの聖堂のすごいところは壁という壁に何かしらの装飾が施されていて。

ほとんどが金色に光り輝いているのです。

柱にもこれほどの装飾がなされているところはなかなかありませんよ。

これはそれだけの繁栄を迎えたという証拠ですよね。

ヨハネ騎士団はヴァレッタに置いて地中海の防衛線として各国からお金を出してもらった場所ですから。

平和になってもそのお金は絶えず与えられたので。

こんな僻地でも繁栄を迎えたのでしょうね。

柱の装飾の中にもヨハネ騎士団のマークや団章がいたるところに施されていますから。

初めて見る形の教会だったのでずっと眺めてみてしまいました。

これはぜひ写真で見ていただきたいですね。

こうして本日は3つの世界遺産を一日で見たといってもいい感じですよね。

本当に濃厚な日でした。

でもこれで観光が終わったのは2時ですから。

時間的に見ればそんなに観光してないんですがね。

そしてヴァレッタからバスに乗りスーリマの宿に戻ってきました。

まずはスーパーに行って夕食の買い出しをして。

宿に戻ってシャワーを浴びて、写真の整理をして。

でも結局日記も書いていましたが、全然進まず。

これはやはり追い込まれないと全くできない私の性格なのでしょうか。

でも明日は頑張ってやらないと。

あさってにはイタリアに行きますからね。

ではお休みなさい。


ハル・サフリエル(ハイポジウム)へのアクセス・予約方法
ヴァレッタのバスターミナルから8,11,15,26,27,29番のバスでパオラ・スクウェア下車
所要20分
場所が分かりにくいので車掌に聞いてください。
もしくはハイポジウムといっても車掌はわかるので、どちらかで聞くこと
バス停からはハイポジウムの標識があるので、もし見つからない場合はどの方向でも少し歩いてみると必ずみつかる。
またハイポジウムは完全予約制で一日70人しか見れないという制限付き
このため9時から16時(13時はない)までの各時間で10人のツアーに参加しないといけない。
予約方法は下記のサイトから
http://www.heritagemalta.org
英語ですがそんなには難しくありません。あとクレジットカードは必須です。
少人数しか観光することができませんから二週間前に予約をしないと観光できない可能性があります。