2009.07.28

 イタリア[世界遺産]

世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」

2009年7月28日    623日目


イタリアの北部にある渓谷

その中の岩には幾つもの絵が彫られていた

ローマ帝国前の文明を残す足跡


おはようございます。

本日は一時間早めの列車で行くか悩んでいましたが。

体調が悪いので一時間遅い列車で行くことにしました。

といっても朝食は食べれない6時45分発なんですがね。

ヨーロッパの宿って基本的に朝食の時間が7時半から8時ぐらいなんですよ。

日本人の感覚でいうとその朝食がすごく遅い気がします。

だって朝一番に出発する場合、その朝食に間に合わないということですから。

でも一つだけ言えるのはこっちの朝食をとっても取らなくてもあまり痛くないということなんです。

だって食べれるのがコーヒー、ミルク、パン、バター、ジャムしか出てこないんですから。

お腹は膨れますが、栄養は全くありません。

どうしてヨーロッパの人たちはこのような味気ない食事ができるのでしょうか。

それはきっと日本人に生まれたせいでしょうね。

ヨーロッパの文化で過ごしていたらこの朝食でも問題ないのかもしれないですが。

さてこうして宿を後にしてから歩いて駅に向かいました。

もちろん45分ほど歩きましたけどね。

ヨーロッパのユースは基本的に駅から遠いのが難点です。

でもそれでないと安宿が存在しないんですが。

ようやく駅に到着して、すぐに列車に乗り込みました。

最初に向かったのはブレーシャという街です。

本日向かう場所は山の中にあり、主要な路線から向かうにはこの町からだったのですよ。

ただヴェローナから近いと思っていましたが。

予想以上に遠くて40分ぐらいかかってしまいましたが。

街に到着してからすぐにガイドブックに載っているようにバスターミナルへ向かい。

バスの時間を調べました。

するとなんと列車で行けというではないですか。

え、列車がある?

とりあえずバスの時間を聞いてみると2時間後でした。

すぐに駅に戻ってみると、確かに目的地方向の列車はありましたが。

なんと会社名が違うし、本当に目的地の降りる駅があるのかさっぱりわからない。

まあチケット売り場に並んでみましたが。

会社が違うのか結局買えず、違う方向を指さされましたね。

そしてその方向に向かってみるとほんとに私鉄を発見。

まあこの段階ですごく焦っていました。

何しろ鉄道の出発時間が10分を切っていましたから。

次のはいったいいつになったら乗れるかさっぱりわからなかったですし。

ということですぐさまチケットを購入して。

というか本当に目的地の地名の駅があってほっとしましたよ。

こうして列車に乗ることができ、あとはひたすら列車に乗っていました。

途中で左手にきれいな湖があり、美しい風景を堪能していましたが。

いつの間にか寝てしまい。

気がついた時にはいったいどこだか分らず。

とりあえず、どこかの駅に到着していたので、駅を確認しようとしたら。

列車が出発しそうで、車掌に確認したら

なんと降りる駅で焦りましたよ。

というかすでに列車が出発してしまっていて、車掌がなんとか止めてくれて降りることができました。

危なかったですよ。

こうして到着した街こそカーポ・ディ・ポンテという街で。

巨大な渓谷の中にある街で、その渓谷にそびえる山が絶景なんですけど。

しかも遠くには雪が見えるではないですか。

それほど標高が高い山なのでしょうか。

さらに言えばかなり涼しいから標高がだいぶ高いのかも知れません。

、、、、直射日光がすごくひどいですけどね。

さてこの駅からどちらに世界遺産があるかわからず、とりあえず近くの人たちに道を尋ねました。

すると駅から出た反対側を刺されその道に進んでいくと看板が。

そしてその看板にたどって山を登り、山の小道に進むと。

世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」の入口が

氷河で作られたカモニカ渓谷

そこには氷河の作用により滑らかに削られた石が存在しました。

それを紀元前8000年ごろに住んだこの地の先住民によって岩に絵が描かれるようになりました。

それは石を叩きつけて痕をつけたような線画で構成されており、当時の文化を今に伝えるように残されています。

何よりこのカモニカには特殊なことがありました。

それは線画が一定の時期に描かれたわけではなく、古代ローマの時代まで描かれ続けたことにあります。

8000年もの間ここには絵が描かれ続けたのです。

このため、当時の重要な生活を知る手がかりになり、太古昔の人が残した芸術として世界遺産に登録されました。

ここは岩絵群の中のナクアネ岩絵彫刻国立公園です。

さっそく入場料を払い、中に入ると山の斜面に一本の道が。



周りには山の中に少しの岩肌が見えます。

そして少し進むとちょっと開けた場所に小さな岩肌が。



普通だったら何気なく通り過ぎてしまう場所なのですが。

なんとそこ岩肌にはたくさんの絵が彫られているではないですか。



一見すると岩の色と同色なので岩の文様かと思うのですが、それはしっかりとした形をなしているのです。

まず判明できるのは人の姿。



人間というよりは文様という感じですが、頭、足、体が確認できます。

また狩りをしている姿も確認できて。

人が槍を持っていて、動物にまたがっている姿まで。



ただ何の動物に乗っているかはよくわからないのですが。

何しろここの岩絵は岩肌に石を打ち付けて掘るといった感じで。

しかも数ミリほど掘っているだけなので、簡単に彫れるが絵柄がわかりにくいのですよね。



何しろこの岩肌を見た瞬間はここに岩絵があるとは思わず。

通り過ぎたぐらいですから。

でもよくよく見てみると、岩に絵があるとびっくりしたほどです。



これ発見した人はよく気がついたものですよ。

きっと当時は森の中にある岩肌があっただけでしょうし、ほんとに山の斜面ですからここに来ることは基本的にないでしょうし。



さらには気が覆い茂っていると岩肌は日影になって基本的に暗くて見えにくくなっているはずですから。

しかもここイタリアの最初の世界遺産なのですよね。

私が生まれる前の。

確かにこれにはそれだけの価値があります。

何よりローマ以前に残されている文明の当時の風景を描いているのですから。

このきれいな風景の中で彼らは狩猟をし、原始時代と同じ姿を生きていたのかもしれないです。



ただ、すごくびっくりしたことがありました。

なんと観光客が裸足でこの岩肌を歩いているではないですか。

、、、、え、岩と言ってもたくさんの人に踏まれると岩絵なんて消えてしまうのですよ。

しかも世界遺産でそんなことしていいの?

マナーのない客なのかと思っていると、なんと何人も裸足で岩肌を歩いていて。

しかも係員がそれを注意していない。

ここは裸足だったら岩絵の上を歩いていいみたいです。

だったら私もと思って歩き始めましたが。

世界遺産の岩絵の上を歩こうとしましたが、歩けず。

やっぱり保護のためにはあるかない方がいいと思うのですよ。

というわけで岩絵をはずして岩肌の上を歩きました。

このおかげで岩絵の写真を奇麗に取ることができました。



ただこの写真を撮るのがすごい大変。

何しろ岩肌に掘られた数ミリの溝を写真で撮るのですから。

正面から光が当たると全く何が描かれているかわからない。

木漏れ日があるところが一番よく取れますね。

さてこうして中にどんどんはいてくると、小屋がありその前には巨大な岩肌の斜面が。

ここには一面岩絵が描かれています。

ほとんどが人物や動物で、中には家も描かれています。

これは説明するより写真で見ていただく方がいいかもしれないです。



この岩絵を見ているとやはり先史時代の岩絵を思い浮かべ。

私が今まで見た世界遺産の中で、先史時代の岩絵はインドにあるビムベトカだけですが。

そこは岩肌に書かれている絵なのですが、やっぱり絵の形が似ています。

単調な絵だけだとこのようになるのですよね。

世界は広くて全く交流がなくてもやはりこのようになるのかとなんだか納得してしまいました。

それにしてもなぜこの場所に岩絵が描かれたのでしょうか。

北に進むとアルプス山脈につながる渓谷

確かに景色は美しいですが、交通は不便な場所ですよね。

ただ気候がすごく涼しくて。

夏はすごしやすい場所になっています。

逆にいえば冬は住みにくい場所なんですが。

遊牧民だとしたら夏にこの場所を訪れていたのかも知れませんね。

これは誰もわからない謎なのでしょう。

さてここの岩絵は結構な範囲に点在していて。

いろんな岩肌にえがかれていますが。

口では説明しにくい形なのでぜひ写真でみてください。



それなりに写真を載せますので。

ようやく観光が終了してというか、体調があまり良くない。

実はもう一つの岩絵を見に行こうかと考えましたが、無理すると今後が危なそうで。

岩絵は基本的に描かれているのは一緒ですからこれで観光を終了することにしました。

こうして駅に戻ってきて、列車に乗り込みましたよ。

まあ実際にはチケットが買えず、列車の中で買うのかと思ったのですが、直前に来た乗客に聞いたらなんと近くのバーで買えと言われてしまい。

慌てて買いに行きましたけどね。

ようやく列車に乗り込みあとはブレーシャの街まで景色を眺めていました。

実はここの区間は絶景が続く場所なのです。

渓谷が続き、途中には巨大な湖までもが。

この区間を旅するのもお勧めですよ。

イタリアでもこんなきれいな風景があるのかと思ったぐらいですからね。

こうしてブレーシャの街に到着して、ヴェローナ行きの列車を探してみるとなんと30分後。

だったらここで食糧買い出しをしようかと思ったのですが。

スーパーは見つからず、でも夕食のケバブ屋がたくさんあってびっくり。

というかこのブレーシャの街はイタリア人がいないのではと思うぐらい駅の目の前は国際色豊かです。

ほとんどが中国人かアフリカ人しかいませんけど。

中国系の店とケバブ屋のオンパレードなんですよね。

イタリアってホントに黒人と中国人がすごく多い。

なんかイタリアに来てイタリアの印象がそっちしか残らないぐらい。

国民性というのが失われているような気がしますよ。

とりあえず夕食を買い込んで、ようやく列車に乗りヴェローナに戻ってまいりました。

駅から歩いてスーパーに向かい必要な食料を買い込んで。

宿に戻ってまいりました。

まあ歩いて40分かかったのですが、ずっとこれからのルートを考えていましたよ。

去年までだったらジェノバに向かっているのですが、なんと今年ヴェローナの北に世界遺産ができて。

しかも自然遺産ですごく行きにくい場所だったのです。

本来なら行くべきなのですが、お金や期間も考えると外さないと厳しい感じがするのですが。

でもやはり目の前に世界遺産があるとどうしても行ってしまうのが私の信条。

ということで情報を仕入れていない世界遺産に向かうことにしました。

あとは宿に戻ってシャワーを浴びて。

日記を書いていました。

でも本日はドミトリーがいっぱいでうるさくてあまり進みませんでしたけどね。

さて明日は頑張って北に向かいます。



ヴァルカモニカ(カモニカ渓谷)へのアクセス

ミラノ-ヴェローナ間の列車にのりブレーシャbresciaで下車。

ブレーシャの街から列車かバスのEDOLO行きに乗りカーポ・ディ・ポンテcapo di ponteで下車。所要1時間40分から2時間

バスは10時35分発。

列車は一番ホームのミラノ側にある私鉄からEDOLO行きが2時間に一本ある。9時,11時発(帰りは12時15分、14時15分、16時15分)

カーポ・ディ・ポンテの駅からは目の前にある線路に平行の道路をどちらでもいいから進み、最初の踏切を渡る

すると標識があるのでその標識どおりに山を登ると到着する。

またカーポ・ディ・ポンテの周辺にももう一つの岩絵があるので街に点在する地図を確認していくこと。