2005.11.01

 6 恵子ギャリソンLA便り

LAはアートな街ってご存知ですか?



芸術の秋!LAはアートな街ってご存知ですか?「LAと芸術・文化ってあまり結びつかないじゃない?」って思う人はきっと少なくないでしょうね。映画、ハリウッド、セレブ、ファッションと何故か派手っぽい感じで、しっとりと落ち着いた"秋っぽい"雰囲気がイメージとしてないかも知れないですね。でも何を隠そう、LAにはアートが溢れているのです!ゲッティ・センター、ロサンゼルス郡立美術館、ノートン・サイモン美術館などはLAファンならよくご存知かと思いますが、アートギャラリーも街中いたるところにあります。
 

前回お話した、東京渋谷区とほとんど同じサイズのビバリーヒルズだけでも20以上のアート ギャラリーが軒を連ねています。そのビバリーヒルズで毎年5月と10月に開催されるのが「アフェアー・イン・ザ・ガーデンズ・アートショー(AFFAIRE IN THE GARDENS ART SHOW)。10月15日・16日午前10時から午後5時まで開催された秋のショーに、この私しっかりデジカメ持参で行って来ました!




アメリカ各地から200以上のアーティストたちが集まり、サンタモニカ大通に面したビバリー・ガーデンズ・パークに彫刻、絵画、セラミックス、写真、ジュエリー、ガラス製品などそれぞれの個性溢れる作品を展示販売、アート関係のブースだけでなくワイン・ガーデン、食べ物のブース、ミュージカルパフォーマンス、子供たちの為のアート&クラフトコーナーなど、半日ゆっくりゆったりのんびり楽しめる優雅なアートショーでした。

 


ロデオドライブでのショッピング前後に立ち寄るおしゃれでリッチそうな人々、クリスマスプレゼントを探しに来る人々(そうなのですよ、10月頃からクリスマスの準備をする人も多いのです)、家族で散歩しながら作品を見歩く人々、アーティストたちとの会話をエンジョしたい人々...いろいろな人々が集まって独特の雰囲気を醸し出すこのアートショー、私のように特別アートに精通していなくともピープルウォチングが趣味の方なら満足度100%間違いなしです。ちなみにビバリー・ガーデンズ・パークは14ブロックにわたる、長細い1911年に完成したパークで、各ブロックごとにテーマがあり、あらゆる種類の木が植えられています。

今回のアートショーは、そのうち4ブロック(ロデオドライブとレックスフォードドライブの間)だけで開催されましたが、参加アーティストの数に従ってブロック数も増えます。来年5月までにLAに来られたら、パークだけでも楽しんくださいね。



さてさて、あまり知られていないですが、何とLAダウンタウンにもアート ギャラリーが数多くあります。リトル東京すぐ近くのLADAD(Los Angeles Downtown Arts District)は一見倉庫街で、正直、見た目はぱっとしない地域ですが、アーティスト達が住居兼スタジオのロフト等に住み日々活動しています。

「何汚い建物!」と思い恐る恐るビルの中に一歩足を踏み入れると、そこは別世界!アーティスト達が自分を思いっきり表現し趣向をこらしたロフトを見ると、とかく世間体など気にしながら諸々の事情で自分&個性を泣く泣く殺し、人生をひたすら真面目に面白おかしくもなく、ごくごく"常識ある人間"として普通っぽく生きている人ならきっと羨ましくてなってしまうでしょうね、っと私は勝手に想像しています(違っていたらごめんなさい)。

LADADの始まりは 1976年頃ベニスビーチ、サンタモニカ、ロングビーチあたりからダウンタウンの朽ち果てた空きビルの大きなスペースに魅力を感じたアーティスト達が移って来て、消防局の抜き取り検査におびえながら隠れるように住んでいました。が、その後市の建物の安全性基準に合格したビルに住むことが許可され堂々と胸を張って住めようになりました。1980年代は数多くのギャラリーがありツアーバスも時々やってきたほどですが、人気が出るに従って家賃も上がり、特に最近リトル東京周辺に高級コンド(マンション)やアパートが建築中で、LADADのロフトの家賃も高騰しつつあり、移転を余儀なくされているアーティストも増えてきているようです。

しかしアーティストたちだけでなく、建築家、ライター、ウェブ&インターネットビジネスの人たちなど約1200人ほどが今も住み働き、レストラン(R23 というレストランはお寿司好きのアメリカ人の中でも有名)、建築の学校(Southern California Institute of Architecture)もあります。

今年7月からLADADでファーマーズマーケット(毎週土曜)がスタートしましたが、今はまだかなりひっそりした感じ、でも今建築中のコンドやアパートに新しい住人たちが引っ越してくる来年あたりから、にぎやかになり街全体に活気が訪れると信じています。数年前、私が初めてLADADのロフトのいくつかを訪問する機会を得たのは、ひょんなことから知り合ったキャサリンさんのおかげ。

彼女はLADADに長年住む主のようなアーティストで快く自宅兼スタジオに招待してくれたばかりでなく、何人かの友人のロフトにも連れて行ってくれました。彼女はLADADの発展のために一生懸命活動し続けてきましたが、今はすぐ近くに位置するおもちゃ卸問屋街(TOY DISTRICT)や工業街(Industrial District)のマーケティングや広報の仕事もやっている、ダウンタウン活性化になくてはならないスーパーウーマン+アーティストです。

毎月第2木曜日正午から午後9時まで「ダウンタウン・アート・ウォーク」というイベントが開催されています。そのイベントの趣旨に共感し参加しているギャラリーが掲載された地図をウェブサイトからプリントアウトし、その名の通り自分で歩きながら見て回る(self-guided tour)のですが、その土地に不慣れな人にはちょっと難しいので、ちゃんとガイドさん付のツアー(英語)も用意されていますが予約が必要です。


興味がある方で詳細を知りたい方、もしよろしければ私にご連絡ください。なるべく早めにメールをいただければご質問に答えさせていただきます。それではまた次回お目にかかりましょう。