東京に長年住んでいるのに東京タワーに登ったことがないとか、LAに住みながらユニバーサル・スタジオに行ったことがないとか...."近いからいつでも行ける"なんて思いながらついつい行きそびれている場所って結構ありませんか？　私も"灯台もと暗し"の1人でした。我が家（LAダウンタウンから東に約30ｋｍに位置するハシエンダ・ハイツ）から車で数分の処にアメリカ西海岸最大級と言われる中国寺が1988年からあります。　

その名はHsi Lai Temple （シー・ライ・テンプル、漢字では西来寺）、意味は読んで字の通り「西へ行く」。本山台湾佛光山寺（法派の伝承は中国南京の南北朝時代よりある由緒ある棲霞山寺）がアメリカ西海岸で中国の仏教促進、文化紹介などの目的で建造された別院で小高い丘の上の15エーカーの敷地に立っている。車でそのそばを数え切れないぐらい通っておきながら、何となく敷居が高い気がし足を踏み入れたことが昨日まで一度もなかった私がついに訪問したのは、「あそこの精進料理ランチおいしいよ！」と憧れの親友からの一言！

ランチは午前11時半からなので1時間前に自宅出発、たった6分のドライブで西来寺駐車場に到着、（広い！　ダイニングホールはどこかな？）と建物を見つめていると、すぐそばを歩いていた上品そうな金髪のかなりの熟女（平たく言えばそこそこおばあさん）が、「もしかして初めて？　だったらご一緒にいかがですか？」（英語で）と自らガイド役を買って出てくださった。5年前から通っているという彼女の説明を聞きながら中へ。入ったとたん、心に静寂が得られ仄々とした気持ちになり何だか不思議な気が...。　受付らしきところに座っておられた尼さんたちの、安らぎを与えてくれる微笑を見て「来てよかった！」とランチにありつく前なのに既に思ってしまっている自分を知りまたまた不思議な気が....。　

親切な金髪熟女さんとはそこで別れ、尼さんから中国の文化を紹介するためのクラスルームで墨絵、アート＆クラフト、中国語などを教えていること、初心者用仏教のクラスがあることや毎月いろいろな活動をしているなど説明を聞き、イベント・カレンダーをいただいた後、墨絵のクラスまで連れて行って案内してもらった。その後本堂へ行くと、またまた親切な尼さんが入り口前におられ、中国式お線香の持ち方、仏様などの説明を聞いたあと静寂な気に包まれた本堂内へ。先ほどの Ms.熟熟女は中国人のお友だちらしき女性と静かに前を見つめて座っておられたので私もそっと後部席に腰を下ろした。何人もの人々が拝んでいたが物音一つせず静まり返っていて、どの人も長い時間本堂内で時を過ごされていた。何とも表現しがたい平和で清らかで安堵の気分が味わえ、外に出ると元の自分に戻ってしまいそうで暫しの間無我の境地で座っていた。

はたと時計を見ると11時半！　それまでの私は何処へ行ったのか、「ランチタイムだ！　精進料理だ！」と声を出さずに叫び、すたすたとダイニング・ホールに直行！ビュッへスタイルの精進料理で値段は5ドル、台湾と中国の家庭料理とサラダバーでいくら食べてもお腹が持たれず３回もお代わりしたので10ドル分の価値はあり。お通じに悩んでいる人にとても効果ある料理とか。正午頃には広いホールなのにかなりの人でいっぱいになっていた。（何で18年も灯台もと暗しだったのかしら、ずっと前に来ていれば、もしかしたらもっと美しい心の人間に成長していたかも知れないのに）と後悔、でも昨日に戻れないので、これからはちょくちょく心を清めに西来寺に通います！　貴方（貴女）もいかがですか？

名前：　Hsi Lai Temple　（佛光山西来寺）
住所：　3456 S. Glenmark Drive, Hacienda Heights, CA 91745　
時間：　9:00―17:00
昼食：　月曜―金曜⇒11:30―13:30　／　土曜・日曜⇒11:30―14:30
電話番号 626-961-9697
ウェブ：　http://www.hsilai.org/

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keiko@panseusa.com

また次回お目にかかりましょう！