2008.12.16

 6 恵子ギャリソンLA便り

LA KINGSのちょっといい話(恵子ギャリソン)

皆様、1ヶ月半のご無沙汰です。 2回もコラムを掲載出来なくて申し訳ありませんでした。
私事で真に恐縮なのですが、アイスホッケーのチーム"Los Angeles Kings"の皆さんが人間としてどれだけ優しく、温く、素晴らしいかを皆さんに知っていただきたいので、あえて今回は私的なコラムを書かせていただきます。
 

11月4日(アメリカ大統領選挙当日)の夜、LAダウンタウンのステープルズ・センターでLA Kingsのゲームがあり、20年来の大のLA Kingsファンである私の夫と息子は、職場からまっすぐ会場に行きワクワクしながら入場しようとしていました。 
が、突然息苦しくなった夫はその場に倒れました。ステープルセンターのスタッフが即、中にある医務室に連絡、タンカーで運ばれた彼は救急隊員らによる電気ショックなどの治療を受けましたが、息を吹き返しませんでした。

父親をすぐそばで見守っていた息子のもとにLA Kingsのマネージャーらがずっと寄り添ってくださっただけでなく、ステープルズ・センター社長のMr. Tim Leiweke(元LA Kings社長)も駆けつけ、息子を慰め励ましてくださいました。自宅に居た私にLA Kingsのスタッフから連絡があり、興奮した状態で運転しては危ないから、とステープルズ・センター内に詰めているLAPD(ロサンゼルス警察)の警官2人がパトロールカーで迎えに来てくれ、息子の元に連れて行ってくれました。

翌日には、TimさんとLA Kingsチームから、自宅に花束が届けられただけでなく、"貴方と貴方のおとうさんがどれだけLA Kingsの大ファンなのか知っていますので、私達にとってお二人は家族同様です。だから私達の家であるStaples Centerで亡くなられた事は私達も大変心が痛みショックです。どうか貴方と貴方のご家族のために、何か特別なことをさせてください。"というメールがTimさんから直接息子のエルムに届きました。そのご何度かメールでのやりとりがあり、"何か特別なこと"を実現していただきました。

12月6日(土曜日)夕方、夫の会社の方々4人、エルムと私を、ステープルズ・センターのVIP入り口前で迎えてくれたLA Kings副社長Michael Altieriの案内で中に入り、Lexus Clubという特別なレストランで食事、その後LA Kingsのロッカールーム外で練習風景を見、ゲームが始まる前に夫の会社の同僚とエルムはベンチに行き、二人の姿がビッグ・スクリーン(スコアーボード)に写し出され"今日の名誉キャプテン"と紹介され、LA Kingsの大ファンだった夫が亡くなったことを会場のファンたちに伝えてくれました。

ゲームを見る場所はLA Kingsのコーポレート・スイート(個室)、中に入ると、何と"GARRISON 08"と書かれたジャージーが椅子にかけられていて、元人気プレーヤーで今はLA Kingsのビジネス・オペレーションの社長であるLuc Robitailleが迎えてくれ、一緒にゲームを楽しみました。ゲーム終了後、プレス・ルームに行くと、エルムが大好きなプレーヤー3人が次々とやってきて、お悔やみを述べてくれ、一緒に写真を撮っただけでなく、サインまでしてくれました。


私は夫を、エルムは父親を突然亡くしたけれど、LA Kingsファミリーのファミリーになれ、皆さんからいっぱいの愛をいただき、アメリカ人の優しさ温かさ素晴らしさを身にしみて感じている今日この頃です。
LAに来られたら、是非!是非!ステープルズ・センターを訪れ、LA Kingsのゲームを楽しんでください。