2008.12.08

 ツアー/小旅行体験

ヨセミテ国立公園の旅 (エレファントツアー/ミチヨ)

エレファントのツアーシリーズ、今回は紅葉のヨセミテ、ナパへ日本からのお客様と共にゆったりとした3泊4日の旅です。まず私達はダウンタウンを8時半に出発、ご一緒するお客様をビバリーヒルズのホテルからお迎えして、フリーウェイ5番を北に向かいます。分岐点のベーカーズフィールドでフリーウェイ99番に乗り換え、フレズノを経由して41番でヨセミテ国立公園の南側入り口からマリポサグローブに入ってゆくコースです。ヨセミテまでは、広大な秋枯れた黄土色の平原が広々と広がっている中をフリーウェイが延々と続きます。その両側に果樹畑が細長く続き、所々に放牧された牛達がのんびりと草を食べているのはカリフォルニアならではといった光景です。ハイウェイを6時間程ひた走った後、ヨセミテの南側入口を入ってすぐに表れるのがマリポサグローブです。



幹の大きさが直径2メートルくらいにまで育ったセコイア杉がうっそうと点在しています。外側の樹皮が剥がれていても内側から覗いた幹は堅くなって内輪を守っています。所々に薄黄緑色の苔のように張り付いた柔らかな依存植物が焦げ茶色に年を重ねた杉の幹に明るいコントラストとなって柔らかな色を添えています。

ハイウェイ41はそのまま公園内を進んで行きますが、木々の間に出てくるのはヨセミテ国立公園内の中では一番古く、1956年に建築されたロッジで今のワヲーナホテルです。 今後のツアーの仕事に役立つ事もあるかしらと、ロビーや客室内をちょっと見学させてもらいました。内装はニューイングランド風、クラシックでちょっとお洒落な雰囲気です。特にカップルの旅行者にお勧めしたら喜ばれそうです。

出発時は曇り模様で、ヨセミテではもしや雨が降っているのでは...と心配していたのですが、それはかえって幸運をもたらしてくれることとなりました。朝のうちに降った雨のお陰で、公園内の黄色く色づいた木の葉も、雲を纏ったエルキャピタンのグレーの岩肌もひんやりとした空気の中に冴え渡っていました。何よりも、谷間を挟んで向かいに見えるブライダルベールの滝は水量を増して大きく裾を広げて水を放ち、その勇壮な眺めは見る者の脳裏に焼きついてしまいます。

その頃には既に日も暮れて、一日目の夕食はヨセミテロッジアトザフォールのマウンテンルームレストランで取ることになりました。カジュアルなレストランでしたが頼んだお料理は結構ワインにも相性の良いヨーロピアンで皆満足です。その後宿泊予定のヨセミテビューロッジにチェックイン。そしてお部屋のジャグジーで一日の疲れを癒す事が出来ました。

二日目は丸一日ゆっくりヨセミテを散策します。山々に挟まれた中央の谷間の道筋に沿って集落のように観光案内所やロッジなどが点在している所がヨセミテバレーです。その中にビジターセンターがあり、そこの劇場ではヨセミテの四季の美しさを映像で紹介しています。のんびりヨセミテ滝まで徒歩で向かいますが、途中直径5、6メートルもありそうな岩があちこちに見られます。ただ山の上から欠け落ちて来た訳ではなく、大昔に氷河が解けてそこまで運んで来たとの事で、単なるごつごつした岩とは違い、表面がつるりとしているのが特徴です。

ヨセミテ滝は特に全長が長いことでも知られていますが、前日の雨で水量が増し、少し離れて立った私達の顔にしぶきが舞って漂います。小道の両側は湿原でも今は涸れた状態です。春先になると雪解けの水で潤うのだそうで、新緑の頃のまばゆさが想像されます。

草原を歩いて行くとかわいらしいチャペルが出てきました。このヨセミテで暮らしている人達にとっては唯一、信仰のよりどころになっているのでしょう。こんな大自然の中で本当に親しい友人に祝ってもらう特別なウェデイングを計画したりするのも素敵だなと密かに思いました。

昼食はロッジのカフェテリアで軽めにとり、この日の夕食はちょっとお洒落に格式あるアワニーホテルでダイニングです。ご一緒のお客様共々、ドレッシーに服 装を整えてレストランへ向かいます。どんなお料理が出てくるのかウキウキします。勿論ここのお食事にはワインがつきもので、私の注文したスキャロップとラムチョップのローストなら他の方に併せてナパのメルローでも問題なしでした。ちょっと味見させて頂いたプライムリブがとても美味しかったことを思い出しています。

三日目の朝、目を覚ますと周囲が濡れていました。山の上のほうでは雪が降ったらしく白く衣がかかっています。ここから私達は峠を越えてナパに向かいますが、勿論雪が降るとは予測していませんでしたので、タイヤにチェーンをかけるという準備などありません。幸いにも道路の雪は既に溶けていて曲がりくねった山道も難無く通り抜ける事ができました。


山道を抜けた後、偶然見つけたカントリー風のレストランで食べた朝食の味が今でも思い出されます。厚手のフレンチトーストもポテトのソテーも今まで私が記憶する限りでは、特別美味しかったのではないかしらんと。今回は美味しいものをあちこちで沢山食べ歩いたグルメツアーでもありました。これからさらに私達の旅はナパまで続きます。勿論ナパではかの有名なワイナリー、オーパスワンでのワインテイステイングまでおまけが付いていました。