2010.08.11

 1 スタッフから新着情報

テッドさんの「鉄道でエンゼルスを観に行こう」(エレファントツアー/直美)



こんにちは!エレファントツアーの直美です。
現在ロスアンジェルスはプロ野球シーズンの後半戦に入り多いに盛り上がっております。
今回は弊社の超リピーターであり、なおかつ野球をこよなく愛するテッドさんから「鉄道で行くエンゼルス試合観戦」と題して観戦の裏技をご紹介いただきました。要するに早い時間に行って選手の練習を見ましょうということです。
弊社の車では到着が遅く、開会にしか間に合わないのでということです。9月にイチロー選手のいるマリナーズが再度アナハイムにきて試合をしま す。そのときは、特別に早い球場行きの便が出ます(予定)が、普段はテッドさんのこのブログが役立つはずです。平野さんからの投稿です。


こんにちは、テッドです。今年のLA観光の目玉の一つは、「エンゼルス(松井選手)観戦」でしょう。しかし、「ロサンゼルス・エンゼルス」と言っても、本拠地はディズニーランド」と同じ、アナハイムにあり、LAのダウンタウンからは、車でも約1時間かかります。
 
私は、観戦の際は、主に球場の近くに宿泊しますが、時々LA、リトル東京の「ミヤコホテル」から行くこともあります。でも私のような「独り旅」では、一般タクシーは高過ぎます(約$100)。

また「エレファントツアー」さんの「送迎シャトル」は、試合開始の約30分前に到着と、時間的に余裕無く、チームの練習を観たい人、サインを欲しい人には不向きです。そこで、安くて自分のペースで観戦したい方には、「鉄道を利用する」事をお勧めします!

何と言っても鉄道利用のメリットは、安さと「駅を下りれば、目の前が球場!」なんです!lこれほど負担が軽く、安心して間違いない手段はありません。ただし、利用に際して、いくつかの注意点あるので、今回ここでご案内させて頂きます。

(1)先ずは、ユニオン駅を目指しましょう!

「エンゼルスタジアム」のある「アナハイム」駅に行くには、まず、LAダウンタウン東の「ユニオン」駅に行きます。LAのダウンタウン や、ハリウッドからは、「メトロ レッドライン」という地下鉄で、またリトル東京からは、「メトロ ゴールドライン」に乗ります。料金は片道1.5$で す。(2010.7月~値上げ)LAダウンタウンから約10分、ハリウッドから約30分、小東京からは、わずか3分です。
※「ゴールドライン」は終始地上を走ります。昨年後半、東LA方面まで延伸されました。これまで徒歩で20分近くかかっていたのが、これによりとても便利になりました。





(2)アムトラックとメトロリンク 

ユニオン駅に到着します。「レッドライン」は地下駅で一旦地上に上がります。「ゴールドライン」は、鉄道のプラットホーム「1・2」番 線に停車します。下車したら共に駅中央の「発着掲示板」に移動します。そこで、利用する鉄道を選択する事になります。アナハイム駅に行くには、「アムト ラック」と「メトロリンク」の二つがあります。

この違いは、「運営する会社(公社)」が違うのですが、利用する側にとっては、料金、所要時間(停車駅)、時間帯、車両などが違います。しかし、アナハイムまでは、ほぼ同じ線路を使います。
アムトラックは、いわば「長距離列車」です。アナハイムに停車する列車は、「パシフィック・サーフライナー」号と言って、LAより北は「サンタ バーバラ」、南は「サンディエゴ」まで行きます。一方、「メトロリンク」は、LA近郊を走る「通勤用列車」です。LAからは、郊外に向けて、さまざまな方 面に路線があります。

(3)アムトラックの利点・難点 

アムトラックは長距離列車なので、チケットも(ネット予約以外)有人カウンター(駅の待合ホールを背にして、右側にチケット売り場あ り)で発売されます。必ずパスポートを用意して下さい、行き先(アナハイム)、人数、片道か往復かを伝え、パスポートを提出します。片道13$です (2010年7月現在)。必ず往復利用される方は、ここで購入しておくと便利です(往復割引はありません)。飛行機の搭乗券のようなチケットを渡されま す。中には手続きにかなり時間がかかる客もいるので、余裕を持っていきましょう。

チケットは特に時間や座席指定(一部除く)はないので、当日ならば、どの列車に乗ってもかまいません)ただし、エンゼルスのゲームを観戦する場合、乗車する列車は限られてきます。
例えば、平日のナイトゲーム、午後5時開場、7時試合開始の場合、16:10LA発→16:49アナハイム着か、17:10発17:49着があります。

アムトラックは、平日、週末(祝日)で運行する列車が微妙に異なります。「平日のみ」や「週末のみ運行」など結構あります。 「Amtrak」のHPで日別に運行する列車の案内がありますので、あらかじめ確認をお勧めします。また、駅には「時刻表」もありますが、ホテルなどで は、殆ど情報を持っておりませんのでご注意ください。

アムトラックに乗ると「アナハイム」駅までは、途中「フラトン」駅のみ停車で解りやすいです。但し、メトロリンクより、$4ちょっと割 高です。また、発車時刻直前まで、乗車番線の表示がありません(もっとも、大抵9~12番線に停車が多い)。従って、待合ロビーに「案内看板」が立ち、そ こで待っていると、係員が誘導してくれます。

(4)メトロリンクの利点・難点 

通勤用列車である、「メトロリンク」は、まず安いのが特長です。アナハイムまでは、片道$8.25(2010年7月現在)です(アムト ラックは$13)。メトロリンクは東西南北に路線があり、アナハイムに行くには、「オレンジ・カウンティ」線と言って「オーシャンサイド」行き「アーバイ ン」行きなどに乗車します。

チケットは、「発着掲示板」近くの「自動券売機」にて購入します。ただし、日本のそれとは、やや勝手が違い、「面倒臭い」です(「片道 か?往復か?」「人数は?」「行き先は?」などに従ってボタンを押していきます。しかし、残念ながら、ここで諦めてしまう日本人も多いとか・・・)。出て きたチケットは日本の紙のチケットと変わりありません。

「メトロリンク」は、早くから「発着掲示板などで、「該当プラットホーム」の案内があります。「オレンジカウンティ ライン」は7・8 番線が多いです。エンゼルス戦については、例えば平日のナイトゲームは15:50発→16:35着や16:30発→17:15着などがあります。アムト ラックより3つほど停車駅が多いので、約5分程、所要時間が多くかかります。

最大の欠点は、「通勤列車」であるために、夜間の運行がありません。従って、ナイトゲームの帰りは、アムトラック利用のみです。 また、週末の本数は激減します。ましてや、土曜日のナイトゲームは、行き来共に「アムトラック」しか選択肢は無いのです。

(5)乗車・ルール

さて、乗車しましょう。プラットホームに上がっても、両番線に同様の列車が停車している場合もありますので、年の為駅員やほかの客に 「アナハイムまで行きますか?」と聞くのも大事です。特に「メトロリンク」は、多方面に列車が停車していて、間違いやすいです。しかし、多くのお客さんは 毎日利用しているので正確に答えてくれます。


基本、「アムトラック」と「メトロリンク」の番線は異なりますが、共に2階建列車、機関車の型も良く似ています。これも要注意です。事 実、「メトロリンク」のチケットを購入し、間違ってアムトラックに乗車し、「車内検札」で間違いを指摘され、改めてアムトラックのチケットを買わされる羽 目になった方もいらっしゃいます。

※実は私もかつて「メトロリンク」の自販機を「アムトラック」と勘違いした事があります(自販機にアムトラックのロゴマークも入ってい るので)。そもそも日本のガイドブックには、「アムトラック」の事を記載していても「メトロリンク」については触れていないのです。ですから「メトロリン ク」というものが存在する事さえ気づかないのです。

これから先、説明を続けていくと、「アムトラックを使用する方が無難」となると思います。しかし、買い間違い、乗り間違いなど防止の 為、あえて「メトロリンク」の説明をさせて頂いております。アムトラックは、1車両のみ「カスタム」と言う、「グリーン車」が連結されていますが、ほとん どは「コーチ」という「自由席」です。シートは広々、リクライニングで足置きもあり、快適です。乗車してすぐ、車掌が「検札」にきます(駅での改札は無 し)。その際「色札」を上部の枠に差し込みます。これは「行き先別」に色分けされています(例えばアナハイム赤、サン・ディエゴ青など)。我々がアナハイ ムで下車をする直前に、車掌が「次はアナハイムですよ」と教えてくれながら、この色札を抜いていきます。
※我々がアナハイムで下車した後、新たに乗車した客が、そこに着席すると、色札の無い座席は「新規乗車客」として、車掌が検札にきます。従って、もし、途中座席を変えたい場合、自分で色札も移さないと、車掌との間でトラブルになりますので注意です。


 
一方、メトロリンクは、車掌による「車内検札」はあまりありませんが、時々「キセル防止」の為、専門スタッフが乗り込み、「抜き打ちチェック」 を実施します。また、アナウンスはありますが、車掌の親切な案内はなく、停車時間も短いので、アナハイム駅が近づいたら、(特に2階席に座っていたら)速 やかに出口にいきましょう。



いずれにせよ、アナハイム駅は、進行方向右手に巨大なスタジアムが見えますので、降り間違いは無いはずです。

約40分のミニ旅ですが、正直LAからANAの間は、大抵住宅街、操車場、落書きやスクラップなどきれいな風景は皆無です。逆にある意 味「これがアメリカっぽい」という雰囲気は感じます。また、夕方の時間、フリーウェイか混んでいて、渋滞でイライラする場合もあります。むしろ列車の方 が、快適かもしれません。



(6)下車、用意すること

無事下車して、目の前はスタジアム、ウキウキして早速入場・・・と行きたいところですが、特に帰りも利用される方は駅舎に戻り、事故な どの情報などないか、また片道しか切符の無い方は(アムトラック)帰りのチケットも購入しておきましょう。帰りの列車の時刻が迫って、焦る事がありません から。

また、帰りの最終列車は、平日、週末で異なるので、正確な確認が必要です。かなり早く来て、選手の入り待ちなどをしたい方は、駅にトイ レや飲料、スナックの自販機があるので、そこを利用するのも良いです(アムトラックにはトイレや簡単な軽食の売店があり、メトロリンクもトイレはありま す。しかし、球場周辺は開門まで何もありません)。

さらに、エンゼルス観戦の方だけでなく、ここからディズニーランドやアナハイムのホテルに向かおうとする方も、アムトラックの到着時刻 に合わせて、タクシーの待ち受けがあります。駅からディズニーリゾートまで約10分程度なので、これで「日帰り」も可能でしょう(タクシーが停まってなく ても呼び出し専用電話あり)。

球場は目の前にありますが、「巨大な帽子のオブジェ」がある正門までは、歩いて7分程度かかります。16:35着のメトロリンク、16:49着のアムトラックでも下車して正門に着くころには、ちょうど開門となるでしょう。

※「メトロリンク」のチケットは券面に「VALID UNTIL ○時○分・・・」と購入時から3時間後までの「有効期限」が印刷されています。日曜日のデーゲームなど往復使用の場合、先に購入せず、帰りの際、購入される事をお勧めします。

(7)帰り 

正直申し上げますと、この鉄道を利用して「往復」するのは、「デーゲーム」に限ったほうが、良いかと思います(利用はあくまでも片道の み)。ナイトゲームに関して言いますと、アムトラックの月~木、土のLA行き最終は、2010.07現在、22:18です。実は「試合観戦」において、実 に「微妙」な時間です。エンゼルスの試合開始時刻は厳密に言いますと、19:05。平均試合時間は約3時間です。まあ、2時間半くらいで試合が終わり、帰 りのチケットも買っておけば大丈夫でしょうが・・・・。


まず、3階席などアッパー席から、球場出口までは、かなり時間がかかります。また、駅にたどり着くまで、沢山の車が、帰りを急ぐので、 かいくぐってたどり着くのは、意外と時間がかかるし、あわてると事故など危険です。さらに、試合がもつれてついゲームに夢中になったり、もう退場しなけれ ばならないのにそこで松井選手が打席にたったり。あるいはどうしてもお土産が欲しくて、でもレジが混んでいて買い物に時間がかかったり・・・・などなど、 冷静だった昼間とは、打って変わって予期せぬ弊害や焦り、が発生しますね。

さらに危ないのは、予定していた「最終列車」、きちんと運行されていますでしょうか?これまでの実例として、あるカップルが現地の「旅 行社」で「最終は23:15」とだいぶ以前(ダイヤ改正前)の時刻をアナウンスされ、危うくトラブルに巻き込まれる所でした。また事故による「運行中止」 もありえます。
よしんば乗車しても、LAユニオン駅に着いてから、さらにタクシーかメトロへの乗り換え。メトロは昼間より「運転間隔」が長くなり、かなり遅く なりますし、駅からホテルまで距離があると物騒でしょう(女性同士、新婚さんは特に注意ですよね)。いくら安くてもホテル帰着が日付が変わってしまうの は、勘弁したいですよね。

従って、私はナイトゲームの場合は、「行きは鉄道、帰りは送迎シャトル」と決めています。「エレファントツアー」さんの「送迎シャト ル」は帰りの片道だけでも対応可能です。試合終了まで(勿論延長戦も)じっくり観戦出来て、終わった後は、迅速にホテルまで送って頂けますのは、とても助 かります。鉄道を利用して早く球場入りすれば、私のように「サイン待ち」するだけでなく、特に試合中盤以降混みだす、「食事」や「チームグッズショップ (特に松井選手ものは早く売り切れます)」の利用もスムーズに行くと思います。

※日曜日などのデーゲームでは、今年は12:35試合開始が多いようです。

よって、アムトラックならば、9:40発10:21着、または11:10発11:49着。帰りはメトロリンクで15:31発16:25着かアムトラックで16:57発17:45着があります。

(8)その他

この「アムトラック」は本来「野球観戦」よりも「サンタバーバラ」や「サンディエゴ」など観光用列車の意味合いが強い列車です。ですか らLA滞在中にこれを使って「ミニ旅行」も十分可能です。特に「オーシャンサイド」あたりから、パシフィックコーストを間近に見ながら、南下して行きま す。白い砂浜にきれいな海、サーフィンやビーチバレーなど「いかにもカリフォルニアらしい」風景が展開されて行きます。これらの風景は車でフリーウェイを 通っても味わえません!

サンディエゴは、メキシコとの国境の街で、さらに陽気なムードです。ここでメキシコ料理に舌鼓を打つも良し、「動物園」や「シーワール ド」に足を延ばすのも良いでしょう。それでも「野球バカ」の私は、朝列車に乗り、昼に到着、午後から「ペトコパーク」にて「サンディエゴ パドレス」戦を 観戦。アナハイムに戻り、夜はエンゼルス戦と「ダブルヘッダー」を強行したことがあります。

今年からLAユニオン駅発着で「ドジャース・エキスプレス・バス」の運行が始まりました。これまでLAの観光、スポーツ観戦は車無しで はとても不便でした。しかし、鉄道やメトロ、バスなどの発達や、インターネットなどによる情報収集により、より安く、安全に、効率良く活用できるように なってきました。でも、現地の方にとっては、まだまだ「車社会」で、こちらの「思い」とは、かなりの「温度差」を痛感します。私個人としては、正直、「交 通費」を軽減して、「観戦チケット」にお金を掛けて、良い席で見たいと思ってますし、「MLBファン」ならば、思いは共通だと思います。さらに「安心」で 「耳よりな」情報があれば、さらにご案内したいと思います。