Myカテゴリ
*ベトナム基本情報 (6)
*編集部からのお知らせ (1)
ベトナム・ミステリーゾーン (6)
ベトナム街角笑ケース (25)
一押し街歩き (5)
今日もカフェ日和 (25)
現地発! 旅行ニュース (9)
笑うベトナム (1)
週末小旅行のススメ (10)

2009.05.16

 ベトナム・ミステリーゾーン

第3回:40年間、使われることなく眠り続ける~給水塔


高さ約30mという巨大な鉄筋コンクリート製の建造物。

これは、貯水および水圧強化を目的として作られた給水塔。日本の水道局に相当するサイゴン水道総公社(サワコ)の敷地内にある。

給水塔は、ベトナム戦争が終結した1975年以前に作られた。ホーチミン市内には、大小合わせて100基以上あるが、実は数十年前から、まったく使われていない。

というのも、各家庭が、自分で屋上に貯水タンクを備え付けるようになったものだから、給水塔は必要なくなってしまったのである。

中には、完成直後に水漏れが発覚して、40年余、一度も使われたことがない給水塔もあるという。

ホーチミン市当局は、2009年4月、サワコに対し「今後、どうするつもりなのか、検討して報告すべし」という勧告を行ったそうだ。しかし「取り壊そう」「いや、補修すれば使える」と議論百出。市内各所に残された給水塔たちの帰趨は、当分定まりそうにない。

【アクセス】
サワコ(SAWACO)はホーチミン市中心部にあるHo Con Ruaという名前のロータリーにある。聖母マリア大聖堂から徒歩約5分。部外者は敷地内へは入れないが、外からでも給水塔は見える。大型給水塔は、バータ ンハイ通り(10区)、ホーヴァンフエ通り(フーニュアン区)などにもある。

(原稿・写真:朋野昭)