バスを降りるや否や、むっとする熱気、通りを走るバイクの排気音、そして物売りの声など、熱気と喧騒に包まれた。そこはまさにアジア。まずはホテル探しだ。オレは背中の50リットルのバックパックを担ぎ直すと歩き始めた。
デタム通りと直交するブイヴィエン通りに入ると、数メートルごとに「Hotel」「Guest House」という看板を出した建物があり、片っ端から部屋を見せてもらう。1晩3米ドルというドミ(相部屋)から、1泊50米ドル以上する中級ホテルま で、本当に選り取り見取りだ。
どのホテルのスタッフも愛想がよく、部屋を見たあと「他のところも見て、良かったら戻って来るから」といっても嫌な顔一つしない。汗びっしょりになって いるオレを見て、ホテルの女の子が「どうぞ」と冷たいお茶を出してくれたときは、思わず「ここで世話になります!」と言いそうになった。
あるホテルで「長期滞在だったら、デタム通りと並行している路地に行けば?」と、メモを渡された。彼女の友人が経営しているホテルだそうだ。
「すみません、部屋を見せてくれますか?」
教えてもらった住所のホテルで、そう声をかけると「は~い、コンニチハ」と、日本語で返事があって、出てきたのは二重まぶたと八重歯が印象的なトゥーちゃんという女の子。噂には聞いていたが、ホーチミンには本当に可愛い子が多い。
ホテル自体も、今まで見た中でいちばんいい感じだ。彼女の家族も一緒に住んでいて、キッチンやリビングも「自由に使っていいわよ」というのも嬉しい。
そろそろ、この辺りで手を打つかな…。
【アクセス】
タンソンニャット国際空港から車で25分
(構成・写真:朋野昭)