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2009.05.18

 ベトナム街角笑ケース

第10話:ヘルメットファッション花盛り

小生が愛用しているヘルメットが古くなったので、買い換えることにした。中のスポンジがボロボロになって、着脱するたびに、頭にゴミがつくのである。

ヘルメット屋に行くと、いろんなデザインのヘルメットが並んでいて楽しませてくれた。そこで今日は、ヘルメットに関する笑えるお話を紹介しよう。

ベトナムでヘルメット着用が義務化されたのは2007年12月15日のこと。それまで「ヘルメットなんてダサイ」と目の敵にされており、実は、ヘルメット 着用の法制化も何度か、庶民の反対でボツになってきたらしい。「王様の法も村の垣根を越えない」というベトナムの格言にも象徴されるように、庶民の自主性 の強いベトナムならではである。

ちなみに、反対の理由の一つに「アオザイにヘルメットは似合わない」というのがあったという。確かに、黒髪を風になびかせながら、バイクで颯爽と走るアオザイ姿を見慣れた人間には、妙に説得力がある理由である。

それがついに義務化された後、ベトナムでブームになったのがヘルメットファッションである。ヘルメットに見えないデザインのヘルメットが次々と登場した。 写真にあるのは、野球帽をかたどったヘルメット。普通のヘルメット(赤いヘルメット)が17万ドン(約950円)なのに対し、野球帽タイプは12万ドン (約670円)と値段もお得だ。

日焼けを気にする女性には、ヘルメットサンバイザーが人気。普通のヘルメットにサンバイザーをつけて、写 真を撮らせてもらった。こちらは3万ドン(約170円)。人によっては複数持っていて、デートに行くとき用の「勝負服」ならぬ「勝負サンバイザー」という のもあるらしい。

「ヘルメットをかぶること自体が、カッコいい」と思っている人も出てきたようだ。過日、屋台でバンミー(ベトナム風バゲットサンド)を売っているオジさんが、ヘルメットをかぶっていたので、
「どうして?」
と尋ねると、
「だってカッコがいいだろ」
という答が返って来て、言葉に詰まったことがある。

あんなに嫌がっていたヘルメット着用が義務化されても、それをファッションに取り込んで楽しんでしまうベトナム人、いつものことながら、柔軟というか、したたかだなあと思ってしまう。

問題は、それらファッションヘルメットの多くは、強度が不足していて役に立たないのだという。う~ん、まさに本末転倒。

そういうわけで、今週の笑ケース殿堂入りは「ヘルメットファッション花盛り」に決定。

お後がよろしいようで。


(担当:越野 南雄)