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2009.08.17

 ベトナム街角笑ケース

第23話:本物のコピーは本物? 偽物?

これは半年ほど前の話。カバンが古くなったので、買いに行くことにした。あるお店で、使い勝手が良さそうなアタッシェケースが見つかったので、ポロシャツを着た中年男性の店員に値段を尋ねる。

「35万ドンです」
「高いなあ。もうちょと勉強してよ」
「いや、これは本物のサムソナイトですからねえ。お客さんも、サムソナイト、ご存知でしょう? 世界の一流ブランドだから、値引きするわけにはいかないねえ。じゃあこっちはどうです?」


そういって差し出されたアタッシェケースにも、やはりサムソナイトというロゴが入っている。
「こっちなら28万ドンでいいですよ」
「これもサムソナイトじゃないの?」
「いいえ、こっちは本物じゃなくて、コピー商品。だから安いんですよ」


本物よりコピーが安いのは当然としても、35万ドンというと2000円足らず。本物のサムソナイトとしては安過ぎないか?
「これって、本当に本物のサムソナイト? サムソナイトの工場がベトナムにあるの?」
「もちろん、これは本当に本物のサムソナイトを忠実に再現して、ベトナムで生産したものですよ」


え? 話がややこしくなって来たぞ。彼に再確認する。
「つまりこの本物のサムソナイトも、サムソナイトじゃなく、ベトナムのどこかの会社が作っているんだよね。業務提携とかしているの?」
「いや、そういう面倒なことはしていないけど、本物のサムソナイトを忠実に再現した、つまり本物のコピーですよ。こっちの28万ドンの偽物のコピーとはワケが違う」


どうやら、彼の頭の中では、コピー商品にも「本物のコピー」と「偽物のコピー」があるらしい。「本物のコピー」も偽物であると思うのだが、話が長引きそうだったので、35万ドンの「本物」を、交渉の結果、32万ドンで購入した。


そうして使い始めて半年。確かに丈夫で快適だ。さすがに「本物のサムソナイト製」だけのことはある、と言ってしまっていいのだろうか?


小生がこれを買ったのは、サイゴンスクエアという、違法コピー商品が安く買えることで有名なマーケット。入り口の写真を載せておく。ここでは「本物」のロレックスの腕時計や、「本物」のナイキのスポーツウェアが、数千円という値段で買えてしまう。それらの「本物」も「本物からのコピー」という意味の「本物」なのであろう、きっと。そもそも、ここに本物があるなんて期待はしていなかったのだが。


そういうわけで、今週の笑ケースは「本物のコピーは本物? 偽物?」という形而上学的な質問を、皆さんに投げかけることにしたい。それでは、お後がよろしいようで...。


(担当:越野南雄)