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 【スポーツ観戦

OH! NO!(Mr KBこと盆子原浩二)
2008.07.03
 
“UNBELIEVABLE!!!”
このゲームが終わるやいなや、ドジャースの名物アナウンサーのヴィン・スカリーが叫んだ。
1950年からドジャースの試合を、それこそ信じられないくらいの数のゲームを見てきた男の、一言である。

123 456 789 R   H  E
ANGELS  000 000 000 0  5  2
DODGERS 000 010 00X 1  0  2

ドジャースは、伝統的に打力よりもどちらかといえば投手力の優るチームと言われている。60年代に大活躍したコーファックス、ドライスデール両投手が投げると、1点か2点取れば勝ったものだそうだ。その印象が強烈なのかどうか。

今年のドジャースは、1996年から12年間でヤンキースを4度のワールドチャンピオンに導いた名将ジョー・トーレを監督に迎え、昨年から出てきた若手のマーティン、ケンプ、ローニー、イーティアーらに加え、ベテランのケント、ガルシアパラ、ファーカル、ピエアーに新加入のジョーンズ、ベネットで打線は充実、それにペニー、ロウ、ビリングスリー、クロダ、ロアイザの先発投手陣に、セットアップのブロクストン、抑えのサイトウと、20年ぶりの優勝も夢ではないのでは、とファンにほのかな夢を抱かせたものである。

ところがキャンプでのガルシアパラのデッドボール以降、ベテラン選手を中心に故障者の続出となり、投手と野手を含め一時は10人が故障者リストに入り、前半戦は期待を大きく裏切ることとなった。新聞、テレビその他マスコミは、あまりの高年俸の選手たちの故障を皮肉たっぷりに、その合計たるや6千6百万ドル(71億円)にもなると報じている。ちなみに今年のドジャースの選手の年俸総額は1億1千8百万ドル(127億円)である。
これだけの故障者がでると、チームはいきおい若手中心のラインナップとなる。打つときはどこまでも打つが、打てないときはまったく打てない。79試合(6月27日時点)を経過し、0点か1点におさえられた試合が何と24試合(0点が7試合)もあり、これでは先発投手陣が誰一人として勝ち越していないのも当然である。

ところが野球にはやはり「神様」がいるのであろうか。すこしイタズラが好きな「神様」が。
1997年から始まったINTERLEAGUE(交流戦)はマンネリとの声も上がる中、いまだ人気は上々で、球場はファンで一杯となる。そんな中ロサンゼルスのフリーウエーシリーズ、今年の第5戦は6月28日(土曜日)、試合前60~70年代のスター選手を紹介してすぐ、夕方7時10分より始まった。若手のビリングスリーとウイーバーの投げ合いは投手戦となり、5回表まで無得点のこのゲームに、その裏の攻守で一つのアヤが出る。ケンプがウイーバーのエラーで出塁すると、すかさず盗塁を試み、捕手のエラーもからみ一挙三塁へ、そしてドゥイットの右翼への犠牲フライで一点が入ったのである。まさに虎の子であった。
ドジャースにこれ以外のチャンスは無く、というよりこのゲームでウイーバー、アレドンド両投手になんとNO-HITに押さえ込まれるのである。エンジェルスは9回、サイトウを攻め2死1,2塁のチャンスがあったものの、最後のバッターが三振に切ってとられ、この不思議なゲームに終止符がうたれた。2時間34分の夢芝居に、55,754人大観衆も、あっけにとられたのである。それにしてもNO-HITで勝つ。NO-HITに抑えても負ける。
メジャーでは5度目、日本で1939年に一度あるだけの珍しい出来事である。

ドジャースは野球道を究めたのか? ヒットを打たずに試合に勝つ!
UNBELIEVABLE!!


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Mr KBこと盆子原浩二