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 【スポーツ観戦

Congratulations !!(Mr KBこと盆子原浩二)
2008.07.26
 
あと13日で、いよいよ4年に一度のお祭り「オリンピック」の開幕である。

先日、大相撲の巡業がロサンゼルス市内中心部にあるスポーツアリーナで開催された。入場時間より隋分と早く着いたので、あたりを歩きながら、久しぶりにあの巨大な造りのコロシアムをのぞいてみた。ロサンゼルスにプロのフットボールチームがあったころは活気があったものの、今はUSCのフットボールのためだけにあるようで、いささか寂しい。ロサンゼルスは、ご存知のようにアテネと並び、オリンピックが2度開催されたところでもあり、ここはその重責をしっかりと担った表舞台である。

1984年のロサンゼルス・オリンピックは、7月28日より8月12日まで開催された。スモッグ対策と交通渋滞緩和のために、一日10時間働くことで週3日休むところも現れた。たしかに、今のガソリン代高騰のお陰でフリーウエーが空いているのに似て、心配された渋滞もなかったように記憶する。



いろいろな競技を見た。オリンピック大会委員長のピーター・ユベロスの術中にはまったがごとく、事前に入場券を2枚買った(買わされた)し、当時仲良くしていた広告代理店のN君からもチケットが廻ってきた。カール・ルイスの活躍、マラソンの瀬古選手の走りと閉会式の花火、男子体操のあの鉄棒森末選手、いまでも片手で廻りつづけているのか?懐かしく思い出される。

そして極めつけ、どうしても見たかったのは、やはりこの大会で初めて公開競技となった「野球」である。しかしながら、そのときの日本は予選で台湾に敗れ、残念ながら出場ができないはずであった。が、1980年のモスクワ大会に西側諸国が不参加だったことへの仕返しかソビエトが不参加を決め、つられるがごとく共産圏の国々が不参加となり、この種目で優勝候補の一つキューバが不参加を決め込んだ。その結果、日本にも出場が認められ、明治の広沢をはじめとする大学生と本田技研の伊東ら社会人の若手でメンバーが組まれた。

そのようなわけで対韓国戦の予選リーグ、勝ちあがって準決勝まで行くかもとやや強気の期待をして、結局は対台湾戦となったチケットは事前にB 2ってはいたものの、予想外の決勝進出となった対アメリカ戦のチケットがない。ところが、鰻屋さんの若主人から「ありますけど、行きますか」との思いがけないお誘い。

超満員のドジャースタジアムへと日本人4人で繰り出した。アメリカチームはマーク・マクガイヤー、ウィル・クラーク、バリー・ラーキンら、その年ドラフト1位でメジャーが指名した選手ばかりがズラッと並んでいる。当時はまだアマチュアの規制が厳しかったのか、各チームとも選手たちとは大会が終わるまで接触をやめたものの、でもこれまた不思議なことにマイナーとはいえプロのチームとは試合をしてチームを仕上げていった。そして当然のごとく決勝に進出してきたアメリカチームが絶対に勝つものと信じて、トム・ブラッドレー ロサンゼルス市長をはじめ大会関係者が当日球場にずらっと並んだのは言うまでも無い。

試合は3回裏にアメリカが1点を先制、その時点で早くも「あ〜あ、負けたか。」としょげてしまう、なんとも情けない応援団4人組である。

ところが4回に2点、5回に1点を入れて日本が逆転した後、8回には広沢選手の試合を決定付ける3ランホームランが左中間へ吸い込まれた。我々即席の私設応援団は「ニッポン、チャチャチャ!!ニッポン、チャチャチャ!!」を酔いに任せて連呼し続けた。長い間シーズンチケットでドジャースを応援してきた者にとって、たとえばジャイアンツのファンに後ろの席で「BEAT LA!! BEAT LA!!」と連呼されたらたまらないはずなのに。

そのホームランでほぼ試合の行方も決まり、反撃を押さえて6−3、アメリカのファンには申し訳ないが、我々の連呼は最後のバッターを討ち取ると今度は「バンザイ!!バンザイ!!」の歓声へと変わっていった。ところがである、我々の前の席にいた年配の女性が我々を振り返り、ただ一言「Congratulations !!」そしてにっこり。そのときの驚きといったらなかった。まさに「一本」取られたのである。スポーツを愛するファンとは、かくあるべし、と痛感させられた一瞬であった。

このような一言と態度がが同じような状況で、そして同じような立場で相手のファンにかけられるのか、正直なところ私には今でも自信は無い。24年経った今も悩むところである。

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Mr KBこと盆子原浩二