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2010.11.11

 ライフ

「マルモッタン美術館」と美しい午後



美しい、という表現は、あまりに抽象的である。

なぜなら、「美しい」という、概念は、誰もが同じでなく、
その基準は、人によって、まちまちだから。




今日の舞台は、ラ・ミュエット(La Muette)周辺。

ブローニュの森にほど近い、メトロ9号線、ラ・ミュエット(La Muette)の駅を降りれば、

そこは、静かで、エレガントな住宅街が、目の前に広がっています。

この辺りまで来れば、観光客の姿は、あまり見られません。
駅のそばに、すぐ、見えるのは、ラヌラグ公園(Jardin du Ranelagh)。




時間をゆっくり止めるように、


公園の中をまっすぐ抜けて、向かうのは、「マルモッタン美術館」。


偶然、歩いていた遊歩道の右手には、何気ない建物だけど、

こんな、アートな光景も発見したりして。




公園を抜けきったあたりに、見えてきたのは、「マルモッタン美術館」。





マルモッタン美術館は、別名「モネの美術館」と言われ、

印象派モネの作品が多く、所蔵されています。



小さな美術館ですが、どこか品格を感じさせてくれる佇まい。


小さなポスターや旗が、掲げられていますが、
無ければ、見過ごしてしまいそうなくらいに、


こんな静かな環境に包まれて。




マルモッタン美術館は、
元々、美術収集家のポール・マルモッタン氏の邸宅。

ルーアンやジヴェルニー、トゥルーヴィルなどの印象派の情景作品が
堪能できます。

残念ながら、館内での撮影は、できなかったので、

雰囲気をお伝えできるのは、下記のエントランスの写真だけ。

ただ、この写真を手掛かりに、
ご想像をお任せしたいのは、








どのお部屋も、細部にまで、エレガンスが感じられ、

絵画のひとつひとつを見るたびに、「美」が一緒についてくる感覚。



特に、地下の展示室は、驚くほど、奥行きのある空間は、

印象派のコレクションが、奥へ奥へと、展示されているのです。

ひとたび、ここに来場すると、足早に帰る人は、おそらく、皆無かも。



絵画を囲むように、それぞれ真ん中に、ソファがどっしりと、設置され、

そこにあるのは、誰もが、ゆったりと腰を下ろし、鑑賞を楽しむスタイル。



ふと、印象的な方が、目に留まりました。

日本人観光客は、誰も居ない中、

おひとりで現れた、芸術家らしい、日本人のご年配の男性。

ひとつの作品の前で、15分~20分くらい、
座ったり、立ったり、角度を変えたり、姿勢を正したり、と、過ごし、
また、隣の絵へと進む・・・という、

それは、絵画と向き合っているような。
ご自身と向き合っているような。



「贅沢な時間」・・・なんて言葉が、時に存在します。

そんなの無理って、思わないで。

きっと本来は、誰もが自分で、作ることのできる時間。


与えられた「時間」に、何を取りこんでいけるのか、


何気ない言葉でも、一瞬の写真でも、
小さな絵でも、見たことのない空間でも、

自分が良いと感じるものを、心が感じ、楽しんでみること。

ただ、流されるだけでなく、取捨選択してみること。





美術館を後にし、再び、公園の中を駅へと戻ってくると、

煉瓦色の壁が特徴の、レストラン「LA GARE(ラ・ガール)」が見えてきました。

「LA GARE(ラ・ガール)」は、日本語で”駅”という意味。
以前のLa muette(ラ・ミュエット)駅の、駅舎をそのまま改造したレストランです。


駅舎だった趣きを所々に残しつつ、
大人のシックでモダンなデザインとの融合を感じながら、

広々とした空間の中で、カフェや食事を楽しみたい場所。






今日は、ななめ向かい側にある、「LA ROTONDE」で、休憩してみましょう。




カフェの名前は、正式には、
「LA ROTONDE DE LA MUETTE」(ラ・ロトンド・ドウ・ラ・ミュエット)。

アール・ヌーボースタイルのビストロカフェです。


中心地から、やや離れた高級住宅街なので、交差点が目の前にありますが、
雑踏は、それほど気になることはなく、


ぐるっと見渡せば、美しいロマネスク建築に囲まれた、ひと時へ。









たとえば、今回の記事は、ある日の午後の過ごし方。

それは、「美しい」と感じる雰囲気や場所に包まれた午後をゆったりと過ごす、

ひとつの方法として、紹介しました。



「美しい」、と感じる感覚は、決して、人から与えられるものじゃなく、

自分の中の感性だけが感じること。

また、人によって、その基準は、違うもの。

誰もが、同じでなくても、構わない。
みんな違って、構わない。





それぞれの感性は、誰かに教えられるものではないし、

また、人に強要し、強要されるものでもない。

だからこそ、自分に与えられた「人生」という時間を、
あるいは、急に予定がキャンセルになった、3時間でも、4時間でも、


どんなふうに、自分をプロデュースするか。


旅の途中でも、人生の途中でも、恋愛の途中でも


こんなモノを取り入れてみたい、
こんなふうにやってみよう、

どうか、そんな”美しい時間”に出会える私たちでありますよう。


昨日、どんな悲しい出来事があったとしても、
次の、まっさらの時間を、美しくも悪しくもできるのは、

自分自身だけだから。


たとえば、”時間”というものの、形容詞が、主に
「賑やかな」「有意義な」・・・・あるいは、「すれ違った」・・・

それは、人と過ごしたり、何かがあってこそ、の形容詞なら、



「美しい」という形容詞をつけてみたくなる、”時間”は

その人自身が、自分の心だけが決め、
また、自分だけが作ることのできる、

最高のギャンブルなのかもしれません。




◆マルモッタン美術館
http://www.marmottan.com/


2, rue Louis-Boilly ,75016 Paris France 
01 44 96 50 33

入場料 :9 €

営業時間 11:00-18:00 (火曜日は、21時まで)
定休日: 月曜日,1 /1 , 5/ 1 , 12/ 25

◆「LA GARE(ラ・ガール)」
http://www.restaurantlagare.com/

19, Chaussée de la Muette, 75016 Paris
01 42 15 15 31
年中無休


Monday - Sunday: 
 from 12:00 to 15:00    from 19:30 to 00:00
*BARの利用時間 
Friday - Saturday:  from 16:00 to 02:00  
Sunday - Thursday:  from 16:00 to 01:00



◆「LA ROTONDE DE LA MUETTE(ラ・ロトンド・ドウ・ラ・ミュエット)」
http://www.cityvox.fr/restaurants_paris/la-rotonde-de-la-muette_2652/Profil-Lieu12

Chaussée de la Muette, 75016 Paris
年中無休
7:00-24:00