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2011.06.05

 美術館

「ドラクロワ記念館」で、サンジェルマン・デ・プレの静けさを。




6区、サンジェルマン・デ・プレの中心に位置する、「ドラクロワ記念館」。

お洒落なインテリアショップやカフェが点在する、この一画に・・・




実は、こんな小さな美術館・・・

「ドラクロワ」の記念館があります。


なにしろ、こんなに小さくて、シンプルなエントランスは、
一見、気づかないまま。

何度通っても、見落としてしまうほど。





この小さな小さな緑の門をくぐると、

少し広場のような空間があり、
左手に、アパルトマンのような建物が見えてきます・・・

よく見ると、小さな扉がポツンとあり、フランス国旗が掲げられていて。

それが、記念館の入口。










入口の前の扉から、見ると、

なんと、2階への階段しか・・・・無い。






階段を上りきると、左手に、ようやく、キャッシャーを発見。
入場料は、5ユーロ。






ドラクロワは、19世紀ロマン主義の画家。

ルーブル美術館にある、「民衆を導く自由の女神」という作品は、
タイトルだけでは、ピンとこなくても、
見れば、きっとわかるはず。


確かに、あの「自由の女神」を前にすると
女性は、魅了されてしまう理由が
どことなく、わかる気がする。

一見、女性の強さやダイナミックさを、描いているように思えるけれど、

その強さの向こうに、「包容力」が、どこか見え隠れする。
(失礼ながら、個人的見解。)



そういう理由かどうかは、別として、

この「ドラクロワ記念館」・・・

実は、女性が、圧倒的に多い。
しかも、周りを見渡すと、

その時のほぼ全員が、女性ひとりでの来訪者。



小部屋が幾つも分かれており、
その部屋ごとに、ポツリポツリと、彼の作品が飾られ・・・

そう。
ここは、ドラクロワが、晩年に住んでいた家。

静かに、静かに、時が流れて。

















見どころは、ここだけで終わりません。


このまま、右の方へ出ると、

外に出られる小さな扉を発見。

扉をあけると・・・









中庭に出られます。


通路を渡ると、「Atelier(アトリエ)」と書いてある、離れの部屋。








オレンジを基調として、光が差し込み、とても明るい雰囲気ですが、

しかしながら、音は、全く対照的。

その静けさは、まるで、空気が止まっているよう。



アトリエを後にし、
再び、中庭に出てみると・・・。


誰も教えてくれなかった気がする。

こんな中庭があるなんて。

簡素な外の入り口からは、想像出来ないくらいに、

こんな秘密の場所があるなんて。





都会の真ん中にあるにもかかわらず、静かな空間は、
どちらかと言うと、ずっと秘密にしておきたい場所。

ここに来てしまえば、
通りの喧噪とは、しばしのお別れ。

日ごろ、ふいに考えてしまう、余計なことも
この際、ちょっと忘れて。







それにしても、

圧倒的に、”ひとりで”訪れる女性が多いのは
どうしてなんだろう。










単なる、ドラクロワのファンで訪れたという人も
とりあえず、行ってみようというミーハー根性の持ち主も
中庭の静けさに、惹かれたという人も、

それぞれが思い思いの目的を持ちながら、

ただ、今だけは、こうして、

風が木の葉を揺らす音に、物思いにふけてみるのもいい。



”ひとり”は、「ひとりぼっちで、孤独」という意味ではない。
寂しいという意味でもない。


自由に、ゆったりと、

こうして、この止まったような時間を、
改めて、じっくりと、味わう時間。



こんなふうに、人に流されず、時の流れを感じたこと、

最近、いつ、ありましたか?





◆ ドラクロワ記念館 (Musée national Eugène Delacroix)


6,rue de Furstenberg,75006 Paris
Métro : Saint-Germain-des-Prés (4番線), Mabillon (10番線)

9:30-17:00 (キャッシャーは、16:30に閉まります。)

定休日:火曜日、1/1、5/1、12/25

5ユーロ (毎月第1週 日曜日と、7/14 は無料)