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2011.08.31

 女性ひとりでも楽しめるフレンチ・ヴァカンス

TGVで行く 女性ひとりでも楽しめるフレンチ・ヴァカンス ~Saint Tropez (サン・トロペ) バスで行ってみる 編



イエール~夕暮れ編をお伝えする前に、
なんとなく、気分は、先に、サン・トロペ。

すみません。

オトラグも、豪華な装いで、チョット華を添えてみたくなりました。
そして、まもなく、夏の終わり。うんと、華やかな気分になりたい方へ。


サン・トロペは、言わずと知れた、セレブの街。
スターの別荘地、豪華クルーザーの数々、夜ごとのパーティ・・・

そんな華やかであり、オシャレで、スノッブな印象は、
実際に行ってみても、裏切りません。



しかしながら、元々は、小さな、ただの港町だったそう。
1960年代に、かのブリジッド・バルドーが、最初に、映画撮影で、この街に訪れ、
後に、別荘を建てたことで、スターが集まるようになり、
今のように、セレブの街として、有名になったと言われています。

実際に訪れると、想像よりも、小さな街ですが、
雰囲気は、個人的には、セレブやスノッブさ、というよりも、

どこか「洗練」という印象。

この日は、最高の青空で、南仏の「青」が映え、よりキラキラしていた、サン・トロペ。


まずは、サン・トロペまでの行き方について。

実は、ニースからも、マルセイユからも、バスや電車では、行きにくい場所であり、
乗り換えや、時間を考えると、なかなか足をのばせない場所でした。

しかし、
イエールから、サン・トロペまでは、なんと直通バスが出ています。

イエールに来れば、必ず、サン・トロペまで、行っておくべし!!!

時間は通常1時間半ほど、かかりますが、
(週末やバカンス時期は、渋滞のため、2時間~2時間半、かかることも。)


お値段は、たったの”2ユーロ”なのだから。




この日は、土曜日。

スケジュールの関係上、サン・トロペに行ける日が
この週末にしか無く、
2~3時間の渋滞の覚悟を決めた、サン・トロペの日帰りトリップ。

腹をくくり、トイレを済ませ、色々と覚悟。

よし、行くぞ~と、
時刻表も手元にないまま、とりあえず、午前10時半に、イエールのバス停へ。






さて。時刻表を見る。思ったとおりだが、そんな頻繁に出てるはずもない。
しかも、次は、10:50、
その後は、11時代に、2本と、30分に1本ほどのペース。


待つことは、敵にもならないフランス。待つしかない。




結構、待った。20分ほど待った。
そうして、ようやく、望みのバスが来た。


ところが、なんということ!!
トゥーロンが始発のため、すでに、席は満席で乗れない・・・
そんな想定外の事態が起こったしまった。

どうすることもできず、そのバスは見送ることになり、
またしても、30分待つことを強いられたのだった。


そうして、無駄に時間を過ごすこととなり、おそってくるのは、
「また乗れなければ、どうしよう・・・」という不安。

そうこうしているうちに、人は、どんどん増えてきて、バス停の周りには、
週末を、サン・トロペで過ごそうというカップルやグループで、溢れて始めていた






しかしながら、待っても待っても、来ないバス。

問題は、乗れるかどうか、渋滞はどうなのかどうか・・・・
ということよりも、
さらに、問題となってきたのは、

「この後、本当にサン・トロペ行きのバスが来るのかどうか」。



しかし、このフランスで、そんなことを、いちいち気にしていることは出来ない。

ひたすら、根気よく、待つのみ。

そうして、願いは通じたのか、バスは大幅に時間を遅れて、やってきた。
しかし、案の定、事態は甘くなかった。



バスの残席は、なんと、5席のみ。
さあ、どうする?


答えは、ただ、そこに居た、5人が乗って、おしまい。
きちんと行列に並んで待っているわけでないので、
もちろん、適当に。


またしても、ここで、バスを見送ることになってしまった。

時すでに、1時間以上は待ち、そろそろ気分は滅入り始める。

でも、ここで、スケジュール変更するわけに行かない。
何が何でも、今日、サントロペに行かなければ、
取材のチャンスも無くなってしまう。


また、30分以上、次を待つしかなかった。

ここで、ふと、同じバスを待っている、日本人の女性二人組に出逢う。






この街で、日本人に出逢うのは、とても珍しいので、
どちらからともなく、思わず、日本語で声をかけあった。

聞いてみると、
二人共、イエールに唯一ある語学学校「ELFCA」の生徒さん。

イエールに滞在して、半年のMさんと、イエールに着いて間もないKさん。
女優さんのように、美しい2人も、また、同様、サン・トロペに行くために
ここで、バスを待ち、バスを見送っていたのだった。
(もしかして、本当に、女優さん?モデルさん?)

せっかくだから、次のバスは、絶対に乗って、
3人で一緒にサン・トロペまで行きたいよね・・・
行きたいよね・・・
ゼッタイに、次こそ、行きたいよね・・・

お互い、そんな話を繰り返しつつ、
どうして、イエールにいるのか、など、と語り合った。

ここに居る理由はみんな同じだった。
温暖で治安が良くて、ゆったり流れる時間を堪能したいから。


そんな思いだけで、こんな場所で出逢える、人生の不思議さ。
安堵感で、見上げた空は、抜けるような、すがすがしさ。


そうして、待って、待って、待って
ついに、
やっと、やっと、次のバスがやってきた。

時刻表に書かれた時刻から、モチロン、とうに15分は過ぎて。

そう。そして、また、ここで始まる。明暗を分ける戦い。
またしても、席取り合戦の火蓋は切られ・・・。

今度は、何人?? 

ほぼ、満杯のバスを抱えて、運転手は、言った。
「3人のみ!」

フランス人のカップルは、さっさと、バスに入っていく。
他のフランス人も、我先に乗ろうと、押し合いになっていた。

残りの席が・・・・・・1席という状況になった。
何組かのカップルやファミリーは、断念した。
そりゃ、そうだ。ひとりで行くことは、できない。



せっかく知り合った、二人。性格も美人な二人。
正直、この二人と、一緒に行ってみたかった。


でも、ここで、既に、
1時間半以上~2時間近くは、バス停で待っていたのだ。
サン・トロペは、これを逃したら、
もう、きっと、行けるチャンスはあるまい。

見れば、今来たばかりの、フランス人の女性ひとりが、乗り込もうとする・・・

思わず、ふと、口から出てしまった。

「二人とも、ごめんなさい。私、乗ってもいいかな?」

美しい二人は、笑顔で、快く、言ってくれた。

「行ってらっしゃい!!」

美人は、性格が悪いというのは、まったくもって、ウソだと証明された。




慌てて、乗車し、2ユーロを払うと、
運転手のおじさんが言った。「一番後ろの席が、空いてるから。」

こうして、なんとか、ラストの1席にありつき、

旅の神様に、

まだ見ぬ、サン・トロペに行くチャンスと、
そして、人の温かさを与えてもらえたのだった。




運命を分けたバスは、
イエールのバス停を、出発し、いざ、サン・トロペへ。

最後の1席を与えられた感謝の気持ちとワクワクした気持ちは、

途中、村の景観を眺めながら、ひと山を越え、

土曜日だというのに、夏休みだというのに、

渋滞は、特に無く、ほぼ、1時間半ほどで、

セレブリティのリゾート地、サン・トロペに到着。


バスを降りると、一層、日差しが強いことを実感した。










※ イエールのバス停で会った 「ELFCA」のMさん、Kさん

連絡先を交換できなかったので、
もし、この記事を読んでいたら、ご連絡いただけると嬉しいです。

あの時のお礼を、もう一度、伝えたくて。
おかげで、こうやって、今、記事を書くことが出来ています・・・


otoluxu@osk3.3web.ne.jp



◆ イエール~サン・トロペ間 バスで、通常1時半ほど。
値段は、2ユーロ。ただし、トゥーロンからの先客のため、
残席が無いと乗れないので、繁忙期は、特に注意!!