カシ(Cassis)。
日本人には、馴染みのない無い名前であるものの、
ヨーロッパの人たちの間では、南仏で、最も人気のある港町。
かつては、多くの芸術家に愛された港町です。
サン・トロペより、カシが好き・・・と話す知人も多く、
不思議な魅力を持つ街。
SNCFのイエール駅から、カシ駅までは
ＴＥＲ（ＪＲのような列車）で、直通で、約1時間。
日帰りで、十分楽しめる場所です。
フランスのある詩人が言った言葉。
「パリを見ても、カシを知らなければ、何も知らないことと同じ」
この言葉を聞いて、思わず、そんな大げさな・・・
と叫んでしまいそうになるものの、
しかし、実際に行ってみれば、この言葉が、どこかしっくりと心に馴染む。
サン・トロペが「洗練」なら
カシは、間違いなく、「情緒」という言葉が似合う。
それにしても、この日は、どうして？？
夏には、滅多に、雨が降らないと言われている南仏で、
なんと、朝から、まれに見る、大雨。
地元に住んでいる人でも、めったに無い、と言われる、
ある意味、大変、貴重な・・・1日。
貴重すぎる、「大雨」のカシの風景。
小雨になった時間だけの撮影タイム。
たとえば、
おみくじで、過去に、大凶しか出たことがない・・・なんて人は、
ある意味、最強の運なのかも。
そんな思考回路で考えると、
滅多にお目にかかれない出来事というのは、
おそらく、”最大の幸運”と言えるのかもしれない。
もしかすると、幸運とは、
きっと、得てして、そういうこと・・・・。
情緒を醸し出すカシの街に、雨の風情。
雨の中で、しっとりと、お茶を飲む人々。
雨だからこそ、その風情が穏やか・・・
おそらく、人生も旅も、すべてに残念なことなどない。
ハプニングや面倒なことでさえ、
おそらく、残念とは言えない気もする。
晴れなら、晴れなりの楽しみ方と風景があり、
嵐なら、”嵐なりの”楽しみ方と風景があるのだから・・・
そもそも、天気は別として・・・。
もしも、自分の道に、ハプニングが与えられたとしたら、
それは、イコール、苦悩や悲しみと考えるのではなく、
それぞれに応じた、
それなりの状況の楽しみ方を探してみたい。
探すべきことは、欠点でなく、
その状況だからこそ、
だから、良かったと思う点・・・。
”受け入れること”に気づいた途端、
どうやら、あっと言う間に、苦悩ではなくなってしまう。
人の感情など、どこをポイントに置くかで変わるから、不思議。
時間がたつと、今度は、
笑い話になったり、人生の辞書になり、
また、誰かのためになり、
自分のためになっているとしたら・・・
全部、全部
言葉では、言い表せない、
無難な人生では気づけない、何かの「おかげさま」。
どうやら、叙情的な思いが募る、雨模様のカシ。
さて。
ここは、観光客には、人気の「ＮＩＮＯ」というシーフードのお店。
でも、あえて、行かない・・・・選択。
静かな雨音と、
止まったような、カシの風情は、色んな思いと共に、
”自分の視点”という、一枚の絵画を描き始め、
この港町が、多くの画家や詩人に愛された理由が、
すんなりと心に染みてくる。
さて、お腹が空きました。
ランチは、どこにしよう？
また、今日も、「鼻」を利かせる機会が訪れて、
お店探しの始まり、始まり。
◆カシ （Cassis）
イエールから、SNCF のTER （日本でいうＪＲ）で、５７分。
カシ駅からは、港まで、徒歩では、約３０分ほどかかるため、
バスか、タクシー利用がおすすめ。
＜時刻表＞ ※２０１０、１２，１２～２０１１、１２，１０※
★イエール発 カシ着
６：１４ → ７：１２
７：００ → ７：５７
８：０３ → ９：００
１０：２６ → １１：２７
１３：０６ → １４：０４
１８：３８ → １８：５８ （トウーロン乗り換え） １９：２３ → １９：５８
１９：４１ → ２０：０２ （トウーロン乗り換え） ２０：２３ → ２０：５７
★カシ発 イエール着
（ダイレクト列車は、
夕方に、2本だけ。）
１７：３０ → １８：２８
１８：３０ → １９：２９
そのほかの時間帯は、
トウーロンまで、３０分か1時間に、１本ほどのペースで出ている。
トウーロンまで、戻れば、イエール行きに乗り換えるか、
また、トウーロン駅前から、イエール行きのバスが出ている。
詳しい時刻などを知りたい方は、オトラグまで、お問い合わせください。
otoluxu@osk3.3web.ne.jp