病は気から
車はタタ製。走り出すと空港の敷地が広大であることが分かる。何しろホテルは空港のすぐ隣という位置なのに何と20分も掛かった。特に道が悪いわけでもなく渋滞もないのに。ホテルに着くと門番が門を開ける。なかなか綺麗なホテルであった。既に時間は夜の10時、しかし航空機の離発着の音が響く。部屋はきれいで広く、これまでの貧乏旅行が板についた身としてはかなりの贅沢。
フロントでネットが繋がると確認していたが、上手くできずに電話する。そんなはずはないと言うが、ボーイがやってきてネットカードを持参し、これがないと繋がらないと言う。あーこれはチップを貰う手口かと思い、諦めて操作してもらう。特にインドの携帯を持っていないとID番号が取れないことが分かり、ボーイが自分の携帯でやってくれた。いくらチップを弾もうかと考えていると、彼は作業終了と同時にあっと言う間に部屋から消えていた。何だか申し訳ない気分になる。
ただ問題は電源。香港空港でソケットを買おうとしたが、インドに合うものが分からず、断念。結局ホテルでも日本製のコンセントは入らずに充電できず。余程ホテルに借りようかと思ったが、夜も更けて来ており、明日早いことを考えて寝る。
7月11日(月)
ふかふかのベットでぐっすり眠り、体調はかなりいい状態。取り敢えずホテル内を散歩。ここにはインドの喧騒は全くなく、涼しくて気持ちが良い。今日は3500mの高地に行くのだから体調だけは整えなければ。と言いながら朝ごはんを食べておこう。出発は7時だが、朝食は6時半から。微妙な時間帯だが、一番に乗り込み食べる。何だかインドに居ることも忘れ、マンゴジュースを飲み、マンゴのカットフルーツを頬張る。普通の日本人なら一番気を付けていることを平気で無意識にやっている。その自然体が重要だ。基本的に私はインドでこれまで中ったことはない。「病は気から」ではないだろうか。
インドで水を飲んだり、食べ物を食べると中る、という話はよく聞くが、日本におけるインド情報はつい最近まで「バックパッカー情報」が主だったことを思い出そう。彼らは敢えてインドの下層階級の暮らしを志向しているのであり、中流以上のインド人に言わせても「それを飲めば私も中る」ということになる。
また気候の違いも大きい。非常に暑い中を、日本人感覚でいくつもの観光地巡りをしたり、ビジネスに励めば、当然疲れ、消化力も落ち、体調不良になる。だから、私の旅は極めてゆっくり無理をしない。今回も空港で一夜を明かすこともできたが、敢えてホテルを取った。心のゆとりは大きい。