つくしのホスピタリティ
夕飯はどうしようかと思ったが、一度ホテルに帰り休む。今日はかなり歩いており、疲れたので、近くで済ませることに。昨晩Kさんから『ここは昔からあり駐在員行きつけの店だ』と言われた「つくし」に行ってみる。カヤホテルのちょうど向かいにある。中に入るとお客で満員だった。お姐さんが日本語で『一人?』と聞くので頷くと、席を1つ作ってくれた。何となくビールを頼んでしまう。そこは居酒屋だから。
それにしても何となく来たことがあるような気がしてきた。ママに『昔一度来たことがあるようだ』というと、とても喜んでくれ、サービスだと言って、ビールのおつまみを出してくれた。こんなことは日本では今や考えられないだろう。しかも一人で来たというので、話し相手になってくれ、最近のソウルの飲食事情を教えてくれた。
この店は元々日本人が始めたが、リーマンショックの頃、帰国してしまい、今は韓国人のみで営業している。お客も日本人駐在員が徐々に減ってきており、今は韓国人サラリーマンが主体。だが『私たちは日本の居酒屋の雰囲気を大切にしていきたい』と言い、それを守ってきている。ただ『昨年から客単価は下がっている』と韓国経済が決して良くないことも教えてくれた。
ここは揚げ物が有名だというので、カツ丼を食べてみた。日本で普通に食べるカツ丼と変わりはなかった。量は多かったが。ママは『味はどう?』と聞いてくる。日本人が美味しいと感じる味を保つためには日本人のお客さんの率直な意見が聞きたいというのだ。『私はいくら頑張っても韓国人。味覚は違う』と実に謙虚だ。
店内には著名人の来店写真なども飾ってある。2階では宴会が行われていて忙しい。そんな中でもちゃんと相手をしてくれる、凄いな、と思う。記念写真を撮り、後でメールを送る。こんな交流がしたくなる店、しかもほぼ初めて行った店、有難い。