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2014.02.12

 旅行記(アジア)

10年ぶりにソウルへ行く(16)忠北道 授業に来なければ単位は出さない

829日(木)

4年生と単位

翌朝9時過ぎに安先生はやってきて、朝ごはんを食べさせてくれた。律儀な先生だ。大学の周囲にはあまり店などないようで、学内でトーストとコーヒーを頂く。安先生はそこで働くおばさんとも気さくに話をしていた。こういうコミュニケーション、大事だな、と感じる。


 

そして4年生に、また同じ話をした。韓国でも日本同様、就職は大変、またこの国は『内定即就職』という習慣があり、就職が決まると学校に来ない学生が出て来るらしい。安先生はそれも不満であり、本日の授業でも『授業に来なければ単位は出さない』と告げていた。しかしそれでは就職できないではないか?

 

『実際に卒業できなかった学生もいますよ』と安先生は平然と言う。自らの信念は曲げない、それは凄いが大丈夫なのだろうか。『私の評判は皆知っているはずだから、授業を取る学生は理解しているはずだ』と言う。ちょうど授業が終わると部屋に赤ちゃんを連れた若い夫婦が訪ねてきた。旦那は日本人だった。奥さんが安先生の学生で、何と卒業できなかった人だという。それでもちゃんと子供が出来れば先生に見せに来る、安先生の魅力だろうか。

 

日本人先生と学食

この大学の日本語科には日本人の先生が何人かいた。お昼は日本人の先生、2人も入れて食事に行く。ちょうど雨が降り出し、遠くへ行くのを断念。学食へ向かったが、雨のせいもあり、大混雑だった。一応先生用に席はあるのだが、食事を取るのに大行列が出来ていた。ここでも安先生が日頃のコミュニケーションを生かして、特別に早くランチを貰ってくれた。安先生はこの大学の創設された20年前から奉職している古参教員。きっと名物先生なのだろう。


 

日本人の先生たちも色々な経緯でここへやってきている。海外で外国人に日本語を教える、それは簡単そうで実は難しいことだろう。今回私も話をしてみて、彼らは何が分かるのか、分からないのか、も分からず、結構苦労した。私は一方的に話すだけだが、先生はその内容を理解させなければならない。

 

しかも日本語を勉強しても就職の問題もあり、果たして学生にとって良いことなのかどうかさえ、怪しい。教えるモチベーションを維持するのは大変だろう。また韓国の田舎に住むのも大変だ。韓国語が出来ればまだいいが、そうでなければ言葉の壁もある。勿論教える際にも韓国語が必要になるかもしれない。しかも必ずしも韓国が好きだから韓国で教えている訳ではなさそうだ。

 

帰りは学校のバスで駅まで行く。安先生も一緒だった。電車がやってきたら、安先生は急いで乗り込む。何とその電車は急行で、ソウルまで普通より30分近く早く着くとのこと。やはり韓国語が分からなければ生きるのは難しそうだ。今回は先生のお蔭で実に貴重な体験をした。