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2011.08.18

 旅行記(インド)

インドで呼吸し、考える(19) 日本の寺が建てたシャンティ・ストゥーパ

7月15日(金)
9.ラダック5日目
日本の寺が建てたシャンティ・ストゥーパ
朝起きると、原稿を一つ書いた。兎に角電気が来ていることが嬉しく、何かやろうと言う気になる。その内にP師の声がしたと思ったら、車で出て行ってしまい、本日の予定もまた分からない。P師一行はどうやら重要な礼拝に呼ばれて行ったようだ。そんな重要な用事とは何だろうか。


朝食の時、ハーディから「P師は午後戻ってくるので、午後外出」との伝言を受け取り、午前はフリーなのだからどこかへ自分で行って見ることにした。ハーディはシャンティ・ストゥーパがいい、というので従う。


道はこの建物の横をひたすら北へ真っ直ぐとか。陽も出ていないので、歩いても行けそうな雰囲気。もし途中でヒッチできればと思いながら、行動を開始した。若干の上り坂である。意外ときつい。途中車は通ったが、軍関係が多く、停まらない。




道は少しずつくねっており、面白い。ちょっとした村を通り過ぎると、左手の山の上に寺院が見えた。あれに違いない、と思うものの、あとどれくらいで着くのかわかない。レイの街は右へ、と表示があり、その先にバスストップがあった。大勢が待っていたが、私が行く方ではなかった。その先で一台の小型車が停まった。場所を告げると、すぐそこだよ、言いながらも乗せてくれた。


3分後の車を降り、麓に向かって歩き出す。ようやく到着すると、急な階段を上から僧侶が降りてきた。「この道がショートカットだ」と教えてくれたので、上り始める。しかしそこは想像を絶する急さで(いや実際には見えていたのだが、想像が働かない)、少し上ると息切れする。振り向けば雄大な眺めが見られるのだが、欠点である高所恐怖症が顔を出し、階段をじっと眺めて耐える。もし日差しがあれば遮るものもなく、熱にやられたかもしれないが、幸い今日は相当に涼しく、何とか堪える。




すると後ろから若者が一人上ってきた。日本人だった。彫刻で独立する前の旅行だと言う。彼と話して何とか元気を取り戻し、上へたどり着いた。しかし一時は呼吸困難も予想され、その場合どうなったかはあまり想像したくない。




小さな寺院へ入ると仏像が安置されていた。更に少し上ると大型の仏像が置かれていた。ローマ字で南妙法蓮華教と書かれていた。横に太鼓があり、妙法寺なる字が見えたので、これが妙法寺と言うお寺が建てた寺院、シャンティストゥーパのご本尊だと分かる。またこの上にストゥーパがあるのだが、これは東南アジアスタイルで、日本的ではないが、確かに日本の寺院が建立したものらしい。後である日本人僧がこの寺を自分の物にしてしまったと聞き、驚く。事情はよく分からないが、日本の仏教はどうなっているのか疑問が広がる。




帰りは安全策でメインの道をゆっくり降りる。途中から何故か雨が降り出す。ここラダックで雨とは貴重な体験だ。と言ってもホンのパラパラだが。麓にはいくつかゲストハウスもあり、エコを謳っているものまである。如何にも西洋人が好きそうに作られている。街より値段も安いのだろうか。日本人はこういう所で一日ぼーっと過ごすことは耐え難い。




道を歩いていると反対側から車が通り過ぎた。どうやらタクシーだったようで、停まる。場所を告げると150rpなら行くと言う。悪そうでもないし、道も知っているし、何より疲れたので、送ってもらう。僅か10分で我が苦難の巡礼の道は逆戻りできてしまった。何とも言えない、いやそれが人生である。