来た道を引き返す。途中道なき道を行く。地元の人がゆっくりとした足取りで歩いて行く。広大な大地を果てしない道のりを彼らは歩いて行く。壮観である。そしてまた舗装された道を行く。サンポーと言う街に入る。
ここにP師の妹さんの嫁ぎ先がある。道の脇、かなり立派な家である。門を入ると2階へ。かなり広い家のようだ。手前の応接室に通される。広い室内にはジュータンが敷かれた場所とソファーが置かれており、チベット式と洋式の折衷である。
直ぐにお茶とチベット式のパンが運ばれてきた。どうやらパンを茶に付けて食べるらしい。ところがこのお茶がバター茶でどうにも受け付けない。パンだけでも十分美味しいのでそのまま食べる。するとそれに気が付いたのか、スプライトとチャイが出て来た。申し訳ない気分。続いてアプリコットを干したものと、生の物と両方出て来た。干したものは固くて噛み切れなかったが、味は美味しい。生の方は久しぶりにフルーツを食べたので、思わず3つも食べてしまう。
ラモはどこかへ行ってしまう。すると代わりにおじさんが入ってきて、ベジカレーを置く。この豆腐カレーは絶品であった。かなりの量があったが、黙々と食べる。やはり刺激が食欲を生む。おじさんはもっと食べるかと聞くが、腹一杯であった。ここに来てから腹一杯食べることなどなかったので、自分でも少し驚く。
このおじさん、P師妹のご主人の兄弟とのこと。聞けば何とバラナシにある日本寺院、法輪寺で働いているらしい。法輪寺はシャンティ・ストゥーパの妙法寺と同系列だとか。バラナシは日本ではベナレスと呼んでいる所。デリーから汽車で半日以上掛かる。何故そんな遠い所へ行ったのか、おじさん曰く、「子供の頃両親に送られた」。事情はあるのだろうが、それは凄い。法輪寺には日本人僧侶が1名常駐しているそうだ。今度機会があれば行って見たい。
えらくご馳走になってしまったが、何もお礼が出来ない。家族写真を撮ることに。P師妹、その息子、おじさん、そしてそのお母さんにラモを加えて撮った。今度写真を送ろう。