今回紹介されたNさん、日本食スーパーを経営されている。電話で確認し、オートリキシャーで来るようにと言われる。ホテルの外へ出ると、待ってましたとばかり、ターバンを巻いたおじちゃんが近づいてくる。どうみても、観光客向けの客待ち。この手には乗らない。さっと身をかわし、通りかかったリキシャ‐に飛び乗る。
Nさんから100rpあれば行けると聞いていたので、100rpで行くかと聞くと、首を縦に振り、しかも横についていたメーターを作動させる。場所も何回も確認していた。これはいい運転手だと・・。
30分ぐらい走っただろうか、結構遠いなと思っていると、いきなりここだと言われ、有無を言わせず降ろされる。メーターでは70rpだったが、100rpの支払いを要求される。確かに私も口にした数字だからまあいいかと支払って。ところが・・・。指定された場所はどこにもない。周囲の人に聞くと「ここから2㎞は離れている」と言う。何ということか。
そこからお店を探すのに悪戦苦闘した。人に聞くと皆答えてくれるが土地勘がないので正しいかどうか皆目わからない。とうとう例の携帯電話を取出し、確認する羽目に。それでも携帯があったのでよかった。もしなければ、途方に暮れていかもしれない。
ようやくお店に着き、延着を詫びるとインド在住20年を超えるNさんは一言、「インドは生きているだけで価値があるんです」非常に納得。そして「インドは発展していくが、その変化は100年、1000年単位で見て行かなければならない。自分の目の黒い内に大きく発展することはない。来世で見られるかな」「インドは変化していくが、変化しない頑固さもある」などと。うーん、これは奥が深い。
元々お坊さんであったNさん、仏教界への意見は厳しい。「日本の仏教界は既に死んでいる。 仏教がビジネスになっている」「ラダックの仏教は生きている。洪水に遭っても、皆が理解できるベースがある」「世界は今末世であり、この状態は一万年続く」「戦後アメリカの愚民政策により、日本は仏教を捨てた。基地問題など、アメリカ依存を捨てない限り、日本は立ち直れない」と次々私がラダックで考えていたようなことが飛び出す。
また教育では「子供はインドの環境で育てるのが正解。英語力やインドの泥臭さ、人間臭さが身に付けば、世界で怖い所はない」とも。また「日本人は英語は上手いが、執念が無いので韓国企業に負ける。韓国人は物怖じしないし、インドに合わせた商品を用意する」と日本企業の弱点もズバリ。インドで最近成功しているピザのようにインド人好みに合った商品提供が必要のようだ。