YMCAに戻り、シャワーをたっぷり浴び、通いなれた1階のビジネスセンターへ行く。今回は1日2回ここでメールチェックなどを行っており、すっかり顔なじみに。何だかデリーも名残惜しい。
最近出来たと言うエアポートエクスプレスに乗れば、ニューデリー駅から空港まで僅か18分、しかも駅でチェックインもできると言うので、早めにYMCAを出る。これまた顔なじみになりながら一度も使わなかったリキシャ-のターバンおじさんが待っていた。「最後ぐらい乗れよ。駅まで30rpで行くよ」と言われたが、今回は地下鉄で通そうと思い、断る。
大きな荷物を持って、地下鉄へ。何だかこの格好でいるとちょっとインドに入り込んだ気がする。地元の人と一緒に危ない道を急いで渡り、地下鉄の荷物検査に耐える。インドに居ると時々顔を出す「俺はいったいなぜここに居るんだ、何しているんだ」という思いが出て来る。
ようやくエクスプレスのチェックインカウンターへ。ところが・・・。国際線のカウンターが何処にもない。聞けば「ここでチェックインできるのは国内線のみ」と言う。ここまで重い荷物を運んできた疲れからか急に怒りがこみ上げる。「広告のどこにも書いていないと」と責めると、「その通り、我々も不思議に思っている、全ては安全上の理由だ」と。
エクスプレスの職員はそれでも私の荷物を見て気の毒に思い、「先ずは空港に行ってくれ」と自ら荷物を持って切符売り場で切符を買ってくれた。空港まで何と65rp。空港から来たプリペイドタクシーが320rpだったから、格安ではある。
実は計画ではチェックイン後に夕食を市内で食べ、悠々と空港へ向かはずだった。しかしこうなれば仕方がない。空港へ向かう。ホームに降りるとすぐに列車が来た。見た感じは香港のエアポートエクスプレスと同じ。記念に写真を撮ろうとすると・・。
係員が飛んできて「写真不可」を言い渡す。思わず「何で!」と大声になる。「安全上の理由で」との答えに納得できない。どこにも禁止の表示はない。すると一旦列車に乗ったインド人の品のいい紳士が降りて来て「どうした」と聞く。彼に理由を話せば、この理不尽な対応に何か言ってくれると期待したが、彼の口から出た言葉は「すべては安全上の理由です。我慢してください」というもの。確かに先月もムンバイでテロがあったばかり。しかし・・・すべて安全上の理由で片づけられては。