1. ウルムチ
(1) ウルムチ行きにテロ警戒の気配なし
北京空港は夏休みのせいか、乗客がいつもより多い。荷物検査も混んでいた。以前成都行きに乗った時、何故か特別検査ゲートを指示されたことがあった。そこでは靴も脱ぎ、ベルトも外して検査する念の入れよう。理由を尋ねたが誰一人答えなかった。後で分かったことはその飛行機が成都経由でチベットのラサ行きであったこと。経由便でもそれほどの警戒があるのであるから、ウルムチ直行便などは当然特別検査対象と思っていたが、結局すんなり通過してしまう。どうなっているのか。
因みにこの時は全ての荷物を機内持ち込みにしたが、何も引っ掛からなかった。ところが最後に北京から東京に帰ろうとした国際線の荷物検査でシャンプーを取り上げられた。係官は「容器が100ml以上の場合、中身が100ml以下でも没収の対象」と説明。何となく納得が行かずにいると係官は対象法令を指さす。そこには「容積が100ml以上・・」とある。容積とは中身ではないのか?しかもこれまで一度も引っ掛からなかったことを主張してみたが、「荷物を預けろ」と言うばかり。これを見ても中国の検査が結構いい加減なことが分かる。テロ対策大丈夫か。
N先生ともう一人M先生と空港内で合流した。M先生も80年代北京に留学したつわもので、毎年中国に学生を連れてやって来ており、今回も北京師範大学に学生を送り込んでこのツアーに参加している。更にはこのツアーの後、モスクワに行く予定もあり、日本に戻るには何と9月下旬という凄いスケジュールの持ち主だ。このように熱心な先生がいるんだなあ、と妙に感心。
3人でコーヒーを飲んで話し込んでいると、出発30分前になる。最近国内線は招集も早く、どんどんドアを閉めて出発する傾向にある。慌ててゲートへ行くと案の定殆どの乗客は既に乗り込み、我々は完全に出遅れていた。客室内は満員、自分の席に行くと、隣の中国人が「友人と席を替わって欲しい」と言う。満員の為一緒の席が取れなかったようだ。替わってあげたが、私の荷物を納める所がなく、苦労する。夏休みで子供の姿も多く、本当に観光シーズンを感じる。日本で言われているテロや暴動を想起させる新疆のイメージは全くない。
国内線で4時間のフライトは初めて。エアーチャイナのサービスにははじめから期待してはいないが、機内食は相変わらず不味い。隣のおじさんはイスラム教徒(回教徒か)らしく、ベジ料理を頼んだが、「予約の時に言ってくれなければ困る」などとCAから言われ、しょぼんとしていた。そうは言っても結局はベジが出て来たところを見ると、やはりこの路線でのニーズは高いらしい。