(2) ウイグル人医師の嘆き
ここでもウイグル人にお世話になる。今回はお医者さんだった。日が落ちると市内中心部で食事をした。「ここは小さな街で」と言うが、本当に小さな街だった。小さな店に入り、シシカバブーを頬張り、ラグメンを食べる。既に常態化した美味しい夕食だ。
ここでもウイグル人にお世話になる。今回はお医者さんだった。日が落ちると市内中心部で食事をした。「ここは小さな街で」と言うが、本当に小さな街だった。小さな店に入り、シシカバブーを頬張り、ラグメンを食べる。既に常態化した美味しい夕食だ。
お医者さんは言う。「地域医療は本当に大変だ。昔に比べて病気になる人が増えている。医師の数は足りない。若者は皆都会に行ってしまう」どこかで聞いた光景である。少数民族も以前とは生活形態が変化し、それに対応できずに病になるのだろう。病の急増は体ばかりではなく、心にも及んでいる。経済が発展すると言うことが本当に人間にとって幸せか、との問いにはっきりした答えが出せない。
「日本にも行って見たいが、忙し過ぎる」というお医者さん、実にしっかりした人物である。聞けば、今日泊まっているホテルで明日地区の共産党会議が開催されるが、そこのメンバーでもある。本当に忙しい中、我々の為に食事を付き合ってくれていたのだ。「明日会いましょう」と言って早々に別れる。その後ろ姿に、疲れと諦めを見たのは私だけだろうか。