(3) タール寺
車を飛ばして、タール寺へ向かう。先月インドのラダックへ行き、チベット仏教に関心を持った者としては、ぜひ訪れたい場所。タール寺は西寧郊外にあり、車で30分ほど掛かった。ここは西寧最大の観光地らしく、朝から大勢の観光客が訪れており、チケット売り場には長蛇の列。仏塔や建物は見慣れた風景であるが、やはりラダックの静寂はここにはない。というか、漢族の観光客には聖なる場所ではないということか。
車を飛ばして、タール寺へ向かう。先月インドのラダックへ行き、チベット仏教に関心を持った者としては、ぜひ訪れたい場所。タール寺は西寧郊外にあり、車で30分ほど掛かった。ここは西寧最大の観光地らしく、朝から大勢の観光客が訪れており、チケット売り場には長蛇の列。仏塔や建物は見慣れた風景であるが、やはりラダックの静寂はここにはない。というか、漢族の観光客には聖なる場所ではないということか。
それにしても壮大な寺院である。山の斜面には僧院が並んでおり、多くの僧侶がここに滞在し、修行している様子が伺われる。本日は日曜日であり、坊さんたちも外に出て来ている。その袈裟姿は懐かしい。
1560年創建という古いお寺ではあるが、近年改修されたと思われる場所も多く、これは文革の影響なのか、チベット問題と繋がりがあるのか、皆目わからない。ただいくつもの建物を見学でき、そしてどこへ行っても人だらけ、ゆっくり見学する雰囲気もなく、人に押されて通り過ぎて行く。これが今の中国なのだ、宗教も静寂も何もない、ただの見世物なのだ、とがっかりすること仕切り。ラダックを思い出そうとしたが、完全に失敗に終わる。
ただ一か所だけ、若い僧侶が数十人で五体投地をしている場所があった。25年前にチベットのラサの聖地、大昭寺の門前で大勢のチベット人が真っ黒になりながら、一日中これを繰り返していたのを鮮明に思い出す。一体何のためにこれを行っているのか。寺の中であれば修行と割り切れるが、信仰とはすごい力がある。これを見せられると漢族は恐怖を感じるのではないだろうか。