(6) 別れは難しい
夕方5時には西寧に戻った。陳さんは車の都合からか、ホテルへ行かずにそのまま夕飯を食べようという。左程お腹は空いていないが、従う。彼が連れて行ったのは火鍋屋。結構大きな店だが、既にお客で満員だ。まだ陽のある時間に、これだけの客が来るとは。勿論日曜日と言う理由もあるだろうが、驚きである。
夕方5時には西寧に戻った。陳さんは車の都合からか、ホテルへ行かずにそのまま夕飯を食べようという。左程お腹は空いていないが、従う。彼が連れて行ったのは火鍋屋。結構大きな店だが、既にお客で満員だ。まだ陽のある時間に、これだけの客が来るとは。勿論日曜日と言う理由もあるだろうが、驚きである。
ようやく一番端に席を確保し、火鍋を頼む。周囲を見渡すと、地元に住む漢族の家族、カップルなどが多い。ビールを飲む人もいるが、いきなり白酒がテーブルの上に載っている所もある。真夏に火鍋、と言うだけでも驚きであるが、これは一体なんであろうか。
気が付くと我々のテーブルにも牛肉、羊肉、きのこ、野菜が所狭しと並べられた。とても食べ切れない。これが昨今の中国である。取り敢えずたくさん頼むのが、礼儀。たれは自分で好きな物を選ぶ。味は中々であったが、何しろ量が多い。まだ昼ごはんから4時間しか経っていないのが残念。最後は陳さんが「寮のおばさんに上げる」と言って打包した。あー良かった。
陳さんは明日朝北京からビックボスがやって来るらしく、済まなそうに明日は付き合えない、という。当方からすれば、既に十分対応してもらい、これ以上彼に付き合わせるのは悪い。食後何をしようかと誘う彼に「今日は原稿書きがあるのでホテルに帰る」と告げ、お別れした。こういう時、日本人なら相手の事情を考えて行動するが、中国人は先ずは自分が十分に誠意を尽くすので、なかなか別れられない。これが恋人なら、と思うだけでも大変なことである。