(9) お気楽タクシー運転手 嘆く
バスで何とかホテルに戻り、チェックアウト。陳さんより「空港へはタクシーで行くように。運転手はメーターは使わないので100元で交渉せよ」と言われていた。ホテルのフロントのお姐さんも「今は観光シーズン、100元では行かないかもね」と脅かす。
バスで何とかホテルに戻り、チェックアウト。陳さんより「空港へはタクシーで行くように。運転手はメーターは使わないので100元で交渉せよ」と言われていた。ホテルのフロントのお姐さんも「今は観光シーズン、100元では行かないかもね」と脅かす。
本当は空港バスにでも乗って行きたいが、バス乗り場までが離れており、荷物があるからそこまでタクシーで行かねばならない。流石にそれは面倒である。ホテル前でタクシーを探す。午前11時なのに意外と来ない。そんなにタクシーはないのか。
ようやく空車がやって来て、運転手に「空港」と告げるとすかさず、「100元」との答えが返ってきた。想定問答のよう。運転手は話好きでこちらのことなどお構いなしにどんどんしゃべって来る。
「ここいらのタクシーは殆どが自分の車で商売している。だから賃料を払う必要もなく、焦るやつはいない。行きたくない所には行かないから、空港行きは交渉になる」のだそうだ。夏は観光シーズンでかき入れ時だと思うのだが、働きたくなければ家でテレビを見ている、そうで、いい暮らしである。
空港へ行く高速に乗ると「この辺の不動産は高くなったなあ、どんどん再開発しているけど、金は外の省から来るんだ。損しても彼らの金さ」と言い放つ。確かに省都であるし、他の都市と比べて開発が遅れていたのだから、資金が流入する訳だ。投資資金は彼らの金ではあるが、それで潤う地元民もいることは話に出ない。
ただ地方政府の汚職はひどい、と嘆く。「賄賂が横行しているのに、公務員の給料はどんどん上がって行く。民間人は上がらない。どういう訳だ?」と憤慨する。中国の不安が溢れていた。