1時間ほど、ネットで仕事。しかしこれから私はどうしたらよいのだろうか。旅行社のセットさんに電話してみた。彼とは偶然1か月前に代々木公園で紹介され、コルカタまで来て連絡した。「実はお爺さんが亡くなりまして」。セットさんは申し訳なさそうに今日は葬儀に行くという。こちらこそそんな時に電話してしまい、恐縮。でも彼は旅行業。私の希望を聞き、明日の朝までにセットすると言って電話を切る。
では次にすることは。そうだ、事務所のとまこさん(http://tomako.tv/)に頼まれた石鹸を買いに行こう。Himarayaというそのブランドは、とまこさんによれば、品質が素晴らしく、海外からも買いに来る、インドの街ではどこにでもあるという。しかし用心深い私はネットでコルカタのショップを確認していた。4店舗あった。フロントの男性にどれがいちばん近いかと聞くと一番近くても車で15分は掛かると言う。「では歩いて行けるな」と言うと、彼は相当怪訝な顔で、「いつかは着くだろう」と答える、それで十分だ。
ホテル近くの大きな通りを南へ進む。今日は天気がよく、結構暑くなりそう。CitiBankやスタチャンの支店が店を構える。インドにかなり食い込んでいる。途中、セントポールカテドラル、という立派な教会がある。流石植民地、と言わざるを得ない。1847年建造。何と1897年と1934年に大地震があり、崩壊したとある。そうか、この辺には地震があるのか。新たな発見。
中に入ると荘厳な雰囲気が漂う。観光客もいくらかいるが、話声がすると座っているオジサンが鋭い視線を投げる。大きな教会だ。ステンドグラスも大きい。1800年代にカルカッタへやってきて、布教した宣教師たちはどんな気持ちだっただろうか、と考えてしまう。勿論インドにはイエズス会の宣教師が1500年代には来ていたので、それほどの覚悟は要らなかったかもしれないが。
そこから更に歩き出す。しかし目指すお店の場所はトンとわからない。コルカタの街には交差点ごとに警察官詰所?がある。場所を聞くと丁寧に教えてくれる。中には「日本から来て何でそんな所へ行くんだ」と聞いてくるオジサンもいる。英語が分かり難かったのか、私の理解力の問題か、3回ぐらい聞いただろうか、結構歩いた。やはりインドは歩くところではないかもしれないと思い始めた頃、ようやくHimarayaの看板が見えた。小さなお店で、教えられなければ見逃したかもしれない。
店自体は小さいがきれい。お姐さんが一人、客の相手をしていた。私の番になると早速コピーした内容を突き出し、「これをくれ」と言う。先方も心得たもので、どんどん探していく。石鹸、クリーム・・・。ただ無い物もいくつかある。「プージャの翌日で品物は入って来ていない。昨日まで休みだったから」と。そうか、それはラッキー。多少の欠品は我慢しよう。紙袋一杯買った。何とかとまこさんに面目が立ちそうだ。
因みにこのお店には韓国人女性が良く来るという。ここの商品を1度使ったら病み付きになる、とはお店の宣伝であった。