疲れてはいたが、近くのインド博物館へ向かう。朝の散歩で場所は確認済みであり、スムーズに行ける。ガイドブックでもホテルの近くで載っているのはこの博物館のみ。今日は金曜日だが休みではないだろう。
入り口付近は大変な混雑であった。外国人の姿はまばらで、多くはインド人。チケット売り場に殺到している。私は過去のデリーなどでの経験で知っていた。外国人は別料金だから専用窓口で直ぐ買えることを。探すとやはりある。外国人100rp、インド人1rp。何と100倍である。どうしても納得できない。以前中国でもこんな理不尽な価格設定があったが、今や世界でも6-7位の経済大国インドでこのような二重価格が存在するのは許せない。ただ考えてみれば、これは外国人との二重価格ではなく、カーストなどで阻まれた下層者への配慮であるかもしれない。
1814年建造のこの博物館、イギリス植民地時代は何であったのだろうか。相当大きな規模である。裏にはきれいな庭もあるが、参観者は立ち入り禁止である。2階建ての建物は四方を囲み、中庭もある。ドーム型の柱がコロニアルである。
1階の廊下も広く、仏像、彫刻などがずらっと展示されている。ブッダガヤから出土した仏像には、味がある。欧米人も興味深く見つめている。インド人にはあまり関心が無いようだ。インド人にとって、仏教は既に過去の物であり、興味の対象でないことが分かる。
見学は各部屋の展示室に行って見る。ヨーガの原型を描いた絵画があった。ユニーク。原始時代からの模型はどこの博物館でもあるものだった。インド人に一番人気は何と2階にあったミイラの特別展。インド人の頭の中には「体は仮の物。死ねば体は終了するが、心は残り、転生する」と言われているが、そんな人々がミイラを見てどうするのだろうか。何を思うのだろうか。中は押すな押すなの満員で、とても見ることが出来ない。外へ出ようとしても、入口へ人が押し寄せるために、出られない。何とも不思議な光景だった。
帰りは少し回り道して散歩。スチワート・ホッグ市場と言う名のレンガの建物が見える。近づくと物売りか、案内志望か、何人もが声を掛けて来る。構わず中に入ると狭い売り場がひしめき、更に声が掛かる。どうもインドは面倒くさい。かなりしつこい。紅茶屋さんでも探したかったが、諦めて外へ出る。市場の脇ではドルガプージャの余韻か、太鼓が叩かれ、ドルガの前でお祭りが続いている。