(10) セットさんのセット
ホテルに戻るとセットさんがやってきた。昨日はお爺さんの葬儀があったらしいが、プロとして頼まれた仕事はきちんとこなしていた。私が頼んだ仕事とは、①ダージリンの茶園までの車、②ダージリン・カリンポン・ガントクのホテル手配、③シッキム行きの入境証、である。
ホテルに戻るとセットさんがやってきた。昨日はお爺さんの葬儀があったらしいが、プロとして頼まれた仕事はきちんとこなしていた。私が頼んだ仕事とは、①ダージリンの茶園までの車、②ダージリン・カリンポン・ガントクのホテル手配、③シッキム行きの入境証、である。
彼は手際よく、紙を出し、一つずつ説明を始める。私にはいいか悪いかもわからないので、ただ従う。ついでに明日の空港までの送りの車も用意されていた。それならばと「今日の午後、ベルルマートという所へ行くこと、またタングラと言う場所へも行って見たい」と告げ、車の手配を頼んでしまう。本当は自力で行くべきであるが、既に相当面倒くさくなっている。特にインドでは何をするにも大変だ。そして今はお祭りの直ぐ後、色々とスムーズにはいかないような気がした。この予感は大いに当たる。
セットさんに中国人について聞いてみた。「中国人は金だけしか考えていない。観光客の行儀は悪いし、旅行会社は契約を守らない」と散々な答え。「中国は金持ちかもしれないが、インドは中国なしでも十分やって行ける」と言い切る。今の日本にこの言動が欲しい。そうでなければ対等な交渉などは望むべくもない。
しかしインドにも大いに問題はある。「従業員のストライキ、これは民主主義とはいえ、経営に大きな影響がある」とも言う。実際彼の旅行会社では、以前20-30人いた社員を必要最低限の8人にまで減らし、ガイドその他の多くを契約社員としたらしい。これにより経営上の負担はかなり減ったという。
またコルカタの街について、「何故植民地時代の建造物をそのまま綺麗にせずに残しているのか」と聞くと、「建物を維持・修理する費用がコルカタには無い」と一言。何とも残念は話だが、プライドは非常に高いベンガル人は、それをこともなげに言う。