1. バグドグラ空港からマカイバリまで
空港は撮影禁止
結局コルカタ空港を出たジェットエアーは何事もなく、4時半にバグドグラ空港に到着した。元々の予定からは3時間遅れたことになる。空港は小さく、タラップを降りるとそのまま歩いてターミナルへ。これは格安航空会社だからではなく、全てがそのようだ。
記念に飛行機とターミナルをカメラに収めていると、三方から「撮るな」と声が掛かる。どこにも撮影禁止の表示が無いので気が付かなかった。特に写真の消去を求められたりはしなかったが、オフィサーらしい男性が近づいてきて「ここは国境に近く、軍事上撮影禁止だ」と穏やかな口調で述べる。それはどこかラグビーの試合で反則を犯した選手にレフリーが諭すような態度。ここはやはり英国領だったところだ。
ターミナルに入った所で私の名前を持った男性が待っていた。インドでは旅行会社には特権があるようだ。これも一つのビジネスであり、イギリスの影響があり、金持ちには荷物を担ぐサーバントがいるのは当然なのかもしれない。私は金持ちには見えない服装と荷物だったが、彼は当然のようにターンテーブルから出て来る私の荷物を持ち、車に誘導した。
途中両替があったので、立ち寄る。米ドル、ユーロをはじめ、主要通貨、特にヨーロッパの通貨が表示されているのに、日本円はなかった。少なくともここに来る日本人が多くないことはこれで分かる。勿論両替は出来たが。
小さな空港の出口を出ると大きな太陽が待っていた。暮れかかる太陽、実に美しい、というか迫力がある。そして駐車場には若者が待っていた。彼は我々と同じ顔をしていた。直ぐに打ち解ける。ドライバー歴10年、英語は運転しながら覚えたと言う。サッカーは韓国代表のサポーターだという所が面白い。