お知らせ

>>お知らせ一覧

Myカテゴリ
コラム (88)
ブログ(タイ) (74)
ブログ(香港) (43)
プロフィール (1)
寺子屋チャイナ(ビジネス) (9)
寺子屋チャイナ(学生) (6)
旅行記(アジア) (293)
旅行記(インド) (138)
旅行記(スリランカ) (39)
旅行記(トルコ) (41)
旅行記(ベトナム) (61)
旅行記(中国) (189)
旅行記(台湾) (43)
旅行記(日本) (48)
茶話会 (9)
読書感想文 (2)
講演会 (21)

2012.01.21

 旅行記(インド)

ダージリンお茶散歩(3) 初日は停電

2.マカイバリ ホームステイ初日は停電

6時半過ぎ、空港を出てから2時間弱。とうとうマカイバリに到着。工場前に車は停まったが、門は閉まっている。周囲は既に真っ暗。運転手が人を探してきた。人が2人上がってきて、「ウエルカム」というのを聞き、取り敢えず何とかなると思えた。


彼らは私の荷物を持って、今来た道を下に降りはじめた。運転手はこれからまた2時間掛けてダージリンの家に帰る。そこで別れた。道には車が溢れており、そこを縫って進む。ある所で脇道を降りる。暗くてよく見えなかったが、すぐに家に着く。木造の小さに家に入り、ここがホームステイ先だと告げる。


家の主人は出掛けており、1時間で戻るらしい。この家にはお婆さんとお嫁さん、子供が二人いた。言葉は通じるのだろうかと思っていると何のことはない、8歳の男の子、ショーナムが英語で話し掛けてくる。英語の学校に行っているらしい。ドルガプージャ祭りで学校は1週間休みだったとか。日本についても「ツナミ」などを知っており、結構驚く。

更に3歳の女の子と間違うほどかわいいリーデンとショーナムは兄弟ではなく、従弟同士だった。リーデンのお母さん(お嫁さん)は家にいたが、お父さんはコルカタ付近で仕事をしているらしい。この家を預かるパサンは弟で、ショーナムのお父さん。この関係だけで見ても、今の日本にはあり得ない家族構成だ。



家は極めて質素。5つの小さな部屋に分かれており、私もその一つに入れてもらった。仏教徒のようで、祭壇にはブッダ像があり、お婆さんが線香を上げていた。しかしその横にはTVがあり、ショーナムは「クレヨンしんちゃんを見ると怒られる」などと言いながら、四六時中カートンネットワークを見ている。その横にはPCもあった。台所兼食堂は別棟、更にトイレは外。典型的な家らしい。




ショーナムとTVを見ていると、お決まりのように停電となる。ラダックでの体験もありそれほど気にはならないが、やはり真っ暗なのは不便である。直ぐにお婆さんがろうそくに火を点ける。慣れている様子から停電が多いことが分かる。この日は1時間以上回復しなかったが、普段は数分から30分程度で復旧する。「電気が足りないのではなく、管理に問題があるのだ」との声を聞いたが、そうなのだろう。


お蔭で台所脇のテーブルでろうそくの明かりで夕食を取った。スープ麺はちょっとスパイスが効いていて、美味しい。麺はちじれ麺。お嫁さんが作ってくれた。彼女は英語を流ちょうに話す。ご主人はレプチュー、彼女はタマン族の出身で、ここから車で3-4時間離れた村から嫁に来たと言う。シリグリの大学にも行ったと言うから才媛である。


食事が終わる頃、私の世話役であるパサンが戻ってきた。彼はショーナムの父親、奥さんはネパール人で今はカ
トマンドゥに帰っており不在。カトマンドゥでシェルパのトレーニングを受け、エベレストのベースキャンプ(5,000m)まで行った男だと言う。今は故郷に戻り、トレッキングガイドなどをする傍ら、村のボランティア活動なども担っている。ホームステイプログラムにも積極的に関与しているようだ。

その夜、何事もなく寝たのだが、夜中にトイレに起きる。ところがこの家のトイレは外にあり、周囲は真っ暗で電気のスイッチの場所すら聞いていない。それでも尿意には勝てず、暗い中家を出る。家からトイレまで途中に段差があり、危うく、転びそうになる。今や日本には漆黒の闇などはないが、ここでは夜目も効かない私には漆黒としか思えない。


ようやくトイレに行き、何とか用を済ませたが、部屋に戻る所で思い切り肩をぶつける。かなり痛い。文明社会に慣れきって、何でもスイッチ一つで事足りると油断した報いが来た。