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2012.02.01

 旅行記(インド)

ダージリンお茶散歩(14) 茶園主と茶園散歩

ラジャ氏と茶園散歩

ラジャ氏が得意の「カム」と号令をかける。私は黙って彼に着いて行く。工場からかなり下る。どこへ行くかなどとは聞かない。指揮官の行動は絶対である。ラジャ氏のいでたちは狩りに行く英国人。背筋はピンと伸びている。


道路では村人と達とすれ違う。その度に彼はバックから飴を取り出して一つずつ皆に配る。店の中の子供には覗きこんで配る。そして必ず声を掛ける。話の内容は分からないが、茶葉はどうかとか、暮らしはどうかなどと聞いているに違いない。その姿はまるで領主様。英邁な領主を持った村人は有難く彼の話を聞く。


左手に棒を持って進む。途中から茶園に突入。昨日も経験しているとはいえ、毎日散策しているラジャ氏のペースは早い。着いて行けずに遅れる。彼は滑りやすい場所などでは、的確に指示を出して助けてくれるがそれ以外はお構いなく進む。自身でも滑ることがある。すると彼は「Part of My Life」と言って何ごともなかったように進む。イギリス人がゴルフでフェアウエーの真ん中に作られたバンカーにナイスショットして運悪く入るように。


ラジャ氏が草むらを指す。そこには蜘蛛の巣が張られている。「これが意味するものは、化学肥料が使われていないことと蜘蛛の食糧が十分にあると言うこと」実に多様な虫がここに生息しているそうだ。


次にまた草むらを指す。「ここには13種類もの草が密集して生えている。彼らは共生出来ている。人間がもしこんなに多人種で密生していたら必ず喧嘩になる。人間とは愚かなものである」全くその通り。


茶畑に入る。彼はいくつもの茶葉を摘みとる。「プージャ(祭り)があったから、成長しすぎてしまった。これでは次の芽が出ない」と言う。プージャ期間は1週間以上休みであったが、自然の植物が成長を止めることはない。それにしても茶畑の景色は素晴らしい。


30分以上下っただろうか。これから上って戻るのかと思うと、気が遠くなる。と丁度小屋が見える。一休みかと思うとラジャ氏は中に声を掛ける。窓から数人の子供たちが顔を出す。どの子も素晴らしい笑顔とちょっとしたハニカミを見せる。彼は一人ずつに飴を配りながら、様子を聞く。ここは茶園の託児所であった。これならお母さんも安心して働ける。素晴らしい配慮だ。


更には車が用意されており、乗り込む。実はパサンの家を通った時に家の犬が付いてきていた。この犬は私が出来掛けるといつも途中までカードしてくれる賢い犬だったが、今日は何故か全行程付いてきてしまった。私はジープの後ろから彼を見え送り、心配してラジャ氏に「あの犬は家に帰れるだろうか」と聞いた。「当たり前だろう、犬はそんなにバカではない」全くその通り、家に帰るとちゃんと玄関先に寝ていた。