それから腹が減ったので、街へ。マカイバリでは三食心配がなかったので、久しぶりに自分で食べ物を探す。これも人間の本能かもしれない。ダージリンの街は完全な傾斜地に作られている。狭い道に土産物屋や衣服を売る店などが連なる。一軒こぎれいなレストランがある。見ればパンがある。久しぶりに甘いパンやら、チキンパイやら買い込んで席に着く。
お茶はアッサムティーを頼む。これまで毎日マカイバリティだったので、気分を変えてみることに。値段はダージリンの方がアッサムより若干高い。この高地の眺めの良い場所に陣取り、飲むお茶は格別に美味しい気がする。何だか夢でも見ているような気がしてくる。高いと言っても日本円で僅か100円、気持ちの良いランチであった。
それから午後の散歩へ。私はダージリンの地理も分からず、目的地もない。まさに散歩である。少し歩くと広場がある。観光客を馬に乗せて金を取っている。こういう所を見るとダージリンとは観光地であり、避暑地であることが分かる。それにしてもこの街は英国植民地時代に開かれた所であろう、何となく英国風の建物が残り、雰囲気は良い。
突然目の前に威風堂々とした教会が目に入る。この高台から更に少し高くなった場所にそびえたつ。説明のよると1842年に創建され、その後1872年に再建されている。目の前の建物は140年前の物となる。門が閉ざされており、中に入る事は出来なかったが、壮麗な建物は周囲の人々を圧倒したことだろう。
それから周囲を歩き回る。途中マカイバリで会ったインド系カナダ人に出会う。彼らも同じホテルに宿泊している。彼らの旅はかなり贅沢な物と言える。元がインド人でも、先進国カナダから来れば、過酷な旅は難しいかもしれない。いや、奥さんは白人だからだろうか。
お茶を売る店もあった。何と日本語で直売と書かれて所もあった。マカイバリ茶も堂々と売られていた。ダージリンに来た観光客は当然紅茶を買うのだろう。では、庶民は何を飲んでいるのかと見ていたが、やはりチャイのようだ。チャイは5rpぐらいで飲めるから、庶民のお茶である。
また道を歩いていて気が付くことは、学生が小学生でも高校生も制服を着ていること。またこの制服がビシッと決まっていてなかなか良い。英国風の名残かもしれないが、きちんと制服を着ている姿に秩序を感じる。それにしても、あの制服いくらするのだろうか。やはりお金が無いと教育は受けられないのだろうか、と考えてしまう。