4.カリンポン Silk Road
鉄橋を越えて河を渡る。坂を上り、一路カリンポンへ。途中で運転手が「ちょっと寄って行かないか」という。どこへ行くのか、興味あり。そして細い道へ入ると門が。Central Silk Roadと書かれている。しかもその下にはインド政府繊維省とあるから、これは政府の研究所ではないか。
鉄橋を越えて河を渡る。坂を上り、一路カリンポンへ。途中で運転手が「ちょっと寄って行かないか」という。どこへ行くのか、興味あり。そして細い道へ入ると門が。Central Silk Roadと書かれている。しかもその下にはインド政府繊維省とあるから、これは政府の研究所ではないか。
正直尻込みした。運転手はどんどん入って行ったが守衛に止められる。それはそうだろう。押し問答の末、何故か守衛が押し切られ、中へ入る。建物の中は暗かったが、一つの部屋に入るとインド人女性が座っていた。彼女がマネージャー(所長)だった。
運転手は私をマネージャーの前に座らせて、出て行ってしまう。一瞬どうしてよいか分からない。何を話せばよいのか。仕方なく、日本人であること、カリンポンに行く途中であること、などを告げる。彼女は大きく頷き、この施設の説明を始める。
インドの繊維産業の歴史は古い。またこのカンリンポンと言う土地の歴史も古く、歴史的にはここを通ってチベットへ物資が運ばれ、インド繊維も運ばれていった。しかしイギリスの産業革命以降、インドは市場を奪われ、繊維業は衰退した。独立後、再度繊維を復活させるべく、このような研究所がいくつか作られ、ここカンリンポンにも出来た。蚕を飼うのに適した地である。
彼女は昨年ここに赴任、家族と離れてこの研究所の敷地内で暮らしている。他のスタッフも女性が多いようで、インド政府の女性登用が見て取れる。展示場に案内され、一通り説明を受けるが、蚕の成長など、もう忘れてしまったことが多く、何も質問できない自分が悲しい。