厳かな夕食
ホテルに着くとへとへとに疲れていた。そこへホテル従業員が「夕食はどうなさいますか」と聞いてきた。普通であれば街へ出て安くて美味しい物を探すのだが、その気力が無い。それにこのお屋敷ホテルで食べてみたい気がした。従業員は「何になさいますか」と又聞いてきた。レストランに行って適当に頼むのではなく、予め頼んでおくらしい。とっさにスープとサンドイッチと答える。今夜はこれで十分だろう。
ホテルに着くとへとへとに疲れていた。そこへホテル従業員が「夕食はどうなさいますか」と聞いてきた。普通であれば街へ出て安くて美味しい物を探すのだが、その気力が無い。それにこのお屋敷ホテルで食べてみたい気がした。従業員は「何になさいますか」と又聞いてきた。レストランに行って適当に頼むのではなく、予め頼んでおくらしい。とっさにスープとサンドイッチと答える。今夜はこれで十分だろう。
事務所に寄り、ネットの有無を尋ねる。この事務所内でのみ、使用可能。それはそうだろう、19世紀のお屋敷でインターネットは似合わない。ちょうどフランス人が使っていたので、後で来ると告げると「事務所は8時までです」と言う。そして何と、朝も8時からだという。私は明日8時前にはチェックアウトを予定していると告げると、この時点で精算が始まる。それもあって食事のオーダーを先に取ったのかもしれない。
夕食のスープとサンドイッチは一体いくらするのか。ちょっと緊張した。ここでは相当高いだろうと。ところが、出て来た答えは125rp。僅か日本で250円である。さてどんなものが出て来るのか。
部屋で少し寝て、午後7時ごろ、レストランへ向かう。場所は母屋。非常に優雅な建物だ。中に入るとそこは映画で見たような貴族の屋敷であり、広いダイニングがある。向こうの方で食前酒を飲みながら歓談する西洋人、絵になるな。食事はコースメニューが基本のようで、しかも値段は300rp。私もこれにすればよかったと悔やむが後の祭り。
私は簡単な食事なのでテーブルでなく、ソファーに腰かけて取る。給仕が実に恭しく、スープを運ぶ。口に入れると何とも言えない濃厚な味わい。あー美味い。何十年に渡って作くられてきたもののようだ。サンドイッチも美味。量は少量であり、食欲が出てしまったが、ここは貴族のように何事も言わずに退散。