小雨が降っていた。ホテルの入り口から道端へ出て、車を探す。ちょうどタタの小型車インディカが頭にタクシーマークをつけてやって来た。どうやら乗合タクシーのようで先客がいたが、乗せてくれた。街まで急な登り道を30分も走る。25rp。私は何と不便な所に泊まっているのだろうか。
街は思ったよりかなり大きく、道幅も広い。如何にもチベット系の色をした建物が寄り添うようにぎっしり建てられている。土地が無いんだな。車も多く、駐車スペースは満員。人々の顔もやはり我々日本人とかなり近い。
先ずはインターネット接続が出来る場所を探す。篩が巨大な建物が斜面に建っている。中に入ると小さい店が並ぶ雑居ビル。直ぐにネットカフェ(PCがあるだけ)が見付かり、中へ。店員の若者は親切で、PC接続なども手伝ってくれた。すぐに繋がる。20rp。シッキムでネットを繋いで世界と交信していたら、河口慧海も驚くだろうな、大谷探検隊の人々も目を向くだろうな。
それから明日以降のスケジュールを決める。コルカタでセットさんがセットした旅程はここまで。明後日の昼過ぎの便に乗るため、ここからは自力でバグドグラ空港へ戻らなければならない。不安は地震の被害で道路が所々狭くなっていること。当日の朝早く車で出たとしても、万が一道路閉鎖などがあれば、乗り遅れる。それに宿泊しているホテルも不便だ。
旅行会社に入り、相談する。皆親切に教えてくれる。オジサンが言う、「金が無いならシェリングタクシーでシリグリへ行け。シリグリからバグドグラはすぐそこだ」と。シェリングタクシー、その響きに誘われて乗ることに決めた。ただ明日午前中、山の上のお寺に行くための車を確保する必要があった。それはホテルで予約することに。
夕飯も街で食べることに。雨がしとしと降っているので、適当に店に入る。ちょっとおしゃれなこの店、欧米人向けなのであろう。時間が早いので客はいない。例の肉まんを頼む。やはり美味しい。この辺りでは定番の食べ物であることが分かる。
ホテルに戻るのにさっきの小型タクシーを探す。しかしどの車も100rpだと言って譲らない。どうやら街に来ればお客が拾えるが、下に降りていくと誰もいないので、帰りの分も取られるらしい。それでも50rpのはず、と言うが、誰も聞く耳を持たない。そういう決まりなのだろう。仕方なく、乗り込み、雨の中、滑るように坂道を下りホテルに着いた。