その心配は杞憂に終わった。飛行機は順調に飛行を続けて、何と6:00到着予定が4:55に着いてしまったのだ。その理由は「今日から冬時間で表示していたから」という不思議な物。確かに切り替えは必要だが、僅か1日で40分も到着時刻が変わるはずもない。このような対応は乗客の混乱を招く。特にトランジット客には迷惑な話。他社もこのような対応なのだろうか?
飛行機を降りると先ずは外を見る。まだ真っ暗で何も見えないが、特に水があるようにも思えない。ゲートで空港職員に尋ねると『ここには洪水なんか来ないよ』と一笑に付す。確かにこの空港が水没しては、タイもある意味お終いかもしれない。
空港に降りた乗客たちは一斉に空港職員に確認を始める。基本的に少しのタイ人を除き、ここで入国する人はいない。皆タイ国内か国外への乗り継ぎである。その方法と場所を聞いている。私も指示に従い進む。ANA職員は日本大使館のお知らせ、と書かれた紙を手渡す。しかしそれは日本語のみで書かれており、タイ人には読めず、渡してもいない。このような差別的なサービスが国際的な航空会社かどうかを決める。
トランジットにも安全検査がある。時間は朝5時過ぎ、大変な混雑であった。そもそもこの空港はアジアのハブであり、24時間稼働しているのだろうが、この時間のこの混雑はやはり洪水の影響か。そしてその検査は思ったよりも厳しく、ベルト、靴まで全て取っている。
検査を抜けて、トランスファーカウンターへ。羽田で既にホーチミンまでの航空券は確保していたが、念の為、荷物をスルーする確認を取る。混雑時には何が起こるか分からない。しかしそこの対応も極めてノーマル。異常はなかった。
今回はTGのラウンジを使わせてもらった。そこは満員の盛況。欧米人が特に多い。これはヨーロッパからの乗り継ぎなのか、タイからの脱出なのか、見当がつかない。中にタイ人のえらいさんらしき人が護衛を伴ってきていたのが、目を惹く。それでも7時前に次々搭乗口へ向かう。遅れる飛行機は一便もない。
ホーチミン行のTGに搭乗すると何と拍子抜けするほど、ガラガラ。誰が脱出のためこの飛行機に乗るか??悠々とした空の旅。離陸時に外を見ると。10日前に見たのと似たような空港周辺の水田が見えたが、特に水があふれている様子はない。あっと言う間に1時間でホーチミンへ到着。