(5) 早い夕食
その帰り道、小雨が降ってきた。ベトナムではにわか雨は日常茶飯なのか、バイクに乗っている皆がさっとカッパを出して着る。何とも用意が良い。そして先程見掛けた焼き鳥がどうにも気になる。雨宿りも兼ねてとうとう寄り道する。店先で焼いているのを見て適当に選ぶ。中で腰かけて待つ。外国人など来ない場所、片言英語でお茶も注文してみる。


その帰り道、小雨が降ってきた。ベトナムではにわか雨は日常茶飯なのか、バイクに乗っている皆がさっとカッパを出して着る。何とも用意が良い。そして先程見掛けた焼き鳥がどうにも気になる。雨宿りも兼ねてとうとう寄り道する。店先で焼いているのを見て適当に選ぶ。中で腰かけて待つ。外国人など来ない場所、片言英語でお茶も注文してみる。


どうやら店先で焼いているのは店員、そして奥にはお婆さんとお嫁さん、そして赤ちゃんがいた。お婆さんは何だかとても親切。お茶はどうやら、店では提供していない自分の家で飲むものを出してくれたようだ。実によい香りがした。
焼き鳥も香ばしく、又大好きな内臓系も美味。どんどん箸が進む。お婆さんがご飯はいるかと聞くのでお願いすると、誰かが近所へ買いに行く。面白い分業体制だ。確かにお互いが提供するメニューを絞り、融通しあう、大切なことだ。
5時過ぎだというのに、若者が4人入って来て、大声でビールを飲んで騒ぐ。彼らは働いているようにも見えないが、学生でもなさそう。ベトナムのニートだろうか。何かよい気分だったのを邪魔された感じで店を出る。お婆さんは「また来てね」とほほ笑む。