(2) ミトーの午後
今回のミトー訪問はお知り合いのKさんに会うためのものだった。Kさんは元ベトナム人で現在は日本政府関連の仕事でミトーに赴任している。Kさんの滞在先ホテルを予約してもらっていたので、そこへ行く。
ホテルは以前の中国国営ホテルを想起させる。部屋は広いが相当古い。このホテルに泊まる外国人は少ないのか、英語も通じにくい。時間は午後1時半、腹が減ったがどこへ行けばよいのだろうか。地図もなく、街に出る。ホテルの前はメインストリート。ここは避けて横へ。日差しが強く、暑い。中部とは違う。
ちょっと歩くと川が見えた。川面を眺めていると、船の方から声が掛かる。メコンクルーズだという。相当暇そうなオジサンがしきりに勧める。40万ドン、髙いのか安いのか分からない。取り敢えずパスして進む。川沿いに歩くと皆、ダラーンと寝そべっている。レストランも見当たらない。もうこの街は午後のお昼寝に入ったらしい。
ようやく外れでレストランを見付け、ご飯にありつく。内臓入り麺と揚げ春巻き。腹が減っているせいか美味しい。のども乾いており、思わず氷入りのお茶をゴクゴク。本来なら体調不良に陥る可能性もある氷入り。でも何となく大丈夫と思うと、大丈夫な物だ。
それから暑い中、街の中を歩き回る。約2時間。立派な教会もあり、中国系の多い場所もあり、池のほとりで蓮を取っている風景あり。何ともホンワカした雰囲気の街である。ちょっと気にいる。
また腹が減り、バンミーを買う。赤ちゃんが茣蓙の上で遊んでいる。可愛らしい。バンミー、1万ドン、この収入で出来る生活には限界があると思うが、このような街では、つつましいが楽しい生活が維持できるのだろう。しかし今後のインフレや都市化、大丈夫だろうか。