六四記念館
昨晩から今朝に掛けてはこれまでの蒸し暑さが無く、涼しいラマ島です。最近物忘れがとみに酷くなり、一部ご迷惑を掛けるようになっています。昨日もお渡しすべき資料を島に忘れて出て来てしまい、気が付いたのは船を降りてから。ランチの時間を間違えたり、原稿に締切を勘違いしたり、以前は無いようなミスを連発。歳か、痴呆か。
昨日はお知り合いのYさんに誘われて、最近オープンした『六四記念館』に行ってきました。場所はMTR深水ポ(土ヘンに歩)駅直ぐそばのビルの2階。4月29日から6月10日までの限定オープン。100㎡程度のフロアーに、天安門事件(香港では六四事件)の過程、関連資料などが壁に張られ、ビデオ上映で当時の映像も流していました。
3月にあった香港行政長官選挙、天安門事件の象徴の一人であった方励之氏の死去、そして昨今の盲目の活動家、陳光誠氏に関する事件、などもあり、記念館にはひっきりなしに人が訪れ、中には図書が置かれているスペースで熱心に資料をめくる姿も見られました。若者の姿も多かったですね。
個人的には1989年6月4日(正確には3日未明)は実質的な台北駐在初日であり、夜中2時頃ホテルのベッドから何故か転げ落ちて、テレビを点けたらCNNの映像が目に入って来て驚いたという経験があります。その後香港へ出張したところ、香港人スタッフがデモに参加するから休みをくれ、と言っていたのを特に思い出します。返還前の香港ではあの事件のインパクトは実に大きかったでしょう。
記念館主催者である香港市民支援愛国民主運動連合会(支連会)は、『今回の記念館はあくまで臨時であり、各界からの寄付を募り、200㎡程度の恒久的な記念館建設を目指す』としています。毎年6月4日に行われる哀悼集会への参加者は年々増えており、中には中国から参加する人々も出て来ています。
壁に張られた趙紫陽総書記(当時)が学生と対話する写真、後ろに写っているのは若き日の温家宝中央弁公室主任(当時)。総理の座を去る今、彼はこの事件について、どう考えているのか、聞いてみたい気がしました。
中国ではいまだに公式には無い歴史、それが天安門事件です。